日々雑録

ブツネタ391「截金の利点」

2016/04/07(木) ブツネタ





こちらは以前に木取りした白檀材


立像5寸用の白檀。


この時点で 「出るかな~」という話は仏師としておりました。


さて、何が出るか・・。

















そうです。
「節」が出ました。


天然木ですから、節もあります。
もちろん無いのに越したことはありませんが。


彫り上がりはこの通り。





節こそありますが、きれいな材です。




さて今回、こちらの仏像、 彫刻中にご縁がございまして、
節があるのを前提で、話を進めておりました。


ご予算と仏壇内の寸法に制限があり、
在庫の舟型光背を使用し、最小の台座をご提案。





ただし、衣に節のある阿弥陀さん。


もちろん施主様にも節の存在は申し上げ、
実際見て頂きました。


そして、衣に截金を入れれば、全く気になりませんと申し上げ、
截金仕上げでご拝命頂くことになりました。


少し詰め具合は粗いのですが、截金を入れますとこの通り・・








全くわからないでしょう。







肌の部分に出るとこうはいきませんが、
衣箇所でしたら截金を施すことで全く気にならないように仕上げられます。


付け加えるならば、
衣部分に節が出ても、私自身そのお木仏の価値が下がるとは思っておりません。


原木を木取りする際に厳選し、使える部分はごく一部。
その厳選した材でもこれが現状。


ハードルを下げようとしているわけではなく、
白檀材の現状を考慮すれば、ここは使用すべきです。
まして弊社は卸及び卸価格でのご提供ですので。


また、絶対数は少なくなりましたが、
近年は素地よりも截金で仕上げる割合のほうが多くなったようにも思います。




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