日々雑録

ブツネタ253 「完成☆THE・鬼面卓★」

2011/10/12(水) ブツネタ



制作期間 約6ヶ月。


試行錯誤の末、ようやく鬼面卓が完成に至りました。



まずは、前回からの続き・・・。

花丸の彫刻に金箔を押したところまでご紹介しましたが、

そこに淡彩色を施しました。





菖蒲、桜、牡丹、梅、百合

菊、蓮、紫陽花、睡蓮、椿

桔梗、河骨、藤、水仙


四季の花、春夏秋冬が分散するよう、

あと、淡彩色とはいえ、色合いの事を考え、花の種類を厳選しました。






そして前回、漆が塗られた鬼面をご覧いただきましたが、

その後、金箔を押し、彩色を施しました。




以前にもお話しましたが、

お顔も少し変化を持たせ、

玉眼で表現した眼は、瞳の位置を微妙に変えて、

表情に違いを持たせました。





阿形の鬼面は、口内を貫通させ、




舌や奥歯も、よりリアルに表現。




そして、錺金具を取り付け、

花丸・鬼面・唐草の彫刻を固定し、本体を組み立てて完成★








大変満足いく仕上がりになりました★


框幅4尺1寸。非常に小振りな鬼面卓ですが、

拘りを凝縮し制作させて頂きました。





花丸の彫刻





鬼面の彫刻










本体に取り付けるまで、

全体のバランスを心配していましたが、

非常に良い感じになりました。






実際、木地の段階で、鬼面の木取りの大きさを非常に悩みました。





制作機会の非常に少ない鬼面卓。

鬼面にインパクトを持たすものの、本体に対して鬼面のバランスが合わなければ、

鬼面の彫刻が素晴らしくても、鬼面卓としての仕上がりは悪くなります。



ですので、木地師さんや彫り師さんとの打ち合わせも何度も行いました。





これは、その打ち合わせの際に活躍した鬼面木取りの図面。

木地師さん、彫り師さんの協力もあり、非常に良いバランスになりました。

この図は思い出に残しておくことにします・・。










あと、後面は箔押しにはしておりませんが、四方造りとしているので、

隅金具は四方打ちとしました。

錺師さんにも頑張ってもらいました。






引違い戸の引手金具は、漆焼付けのものを使用。

ちょっとしたことですが、付いてる方が高級感があるでしょ。




さて、鬼面卓絡みのブツネタは今回で最後。

制作機会が少ないだけに、非常に苦戦しましたが、

無事に完成及び、納入出来て、ホッとしております。


非常に良い勉強になりました。

ご拝命頂き、有難うございました。





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