日々雑録
ブツネタ245 「六角型厨子塗り上がりました。」
2011/08/06(土)
ブツネタ
厨子の漆塗り工程が完了しました。
ブツネタ243で登場した六角型厨子。
総黒蠟色漆塗り。
外側も内側も蠟色を施します。
次工程の蠟色師さんの手に移る前に、
仮組みを行って、漆塗り工程後の細部における点検を行います。
蠟色漆が塗り上がり、現段階では半艶の状態ですが、
蠟色の工程を踏むと、漆黒の黒ピカに仕上がります。
屋根の仮組みは行いませんでしたが、
この厨子の最大の特徴は、6本の蕨手が付く屋根。
塗師さんが、格好良く塗り上げてくれはりました。
蕨手の散在感も増したようです。
その蕨手を含め、要所を堅地(かたじ)下地で仕上げてもらっています。
堅地とは、砥の粉(とのこ)と漆による錆地(さびじ)による下地の事で、
最も堅牢な下地になります。
こちらは、その錆地。
この錆地を使用して、厨子扉の布張りの工程です。
この工程が下地作業の第一歩。
漆を塗る工程ももちろん大事ではありますが、
下地の内容が、仕上がりに相当な影響を及ぼします。
堅地による下地で仕上げると、
耐久性に優れることはもちろん、
シルエットくっきり。カドの立った格好の良い塗り上がりとなります。
さぁ、お次は蠟色師さんに頑張ってもらいましょう。
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ブツネタ257 「六角型厨子も完成。」