日々雑録
ブツネタ449「10尺5寸の須弥壇の製作」
2020/05/29(金)
ブツネタ
久々の須弥壇の製作です。
幅が10尺5寸。 なかなか大きな須弥壇。
和様、唐様の3パターンの須弥壇をご提案させて頂き、
こちらの唐様須弥壇をお選びいただきました。
(我々がおススメしたのもありますが。。)
過去製作事例で近いタイプでいえばこちらでしょうか。
各お店の好みもあると思いますが、
弊社は、比較的オーソドックスな形で、上品で、重厚さを重視します。
その中で、少しだけ冒険したり、挑戦してみたり・・。
今回も色々と考えてはいます。
さて、こちらは上框。上須弥(天板側)を逆向きに置いたところ。
設置してしまうと、内部はわかりませんが、かなり頑丈に制作しています。
根太の本数を見ればわかって頂けるかと。
天板の厚みもご覧の通り。
共芯シナ合板18㎜厚の板を使用しています。
これだけでも相当な重量です。
こちらは下框。
このあとは、見せ場の鉋(かんな)がけです。
4種類ほどの鉋を使い分けて、鷹の羽(たかのは)と呼ばれる曲線を作っていきます。
大きな鉋で削った後に、小さな鉋でさらえていきます。
カンナがけの動画はこちら→鉋掛け⑴ 鉋掛け⑵
まだ完了ではないですが、このような曲線になっていきます。
あと、重要なのがこちら。
組み手による接合。
材と材の接合面にそれぞれ欠きこんで嵌め合わせます。
ただ接着面に接着剤を付けて接合するのではなく、
組み手を施すことで何倍も強度が増します。
そして、木地完成がこちらになります。
重量感のある須弥壇木地の完成です。
正面の三間と、脇一間の格狭間には、彫刻が入ります。
さあ、いよいよ塗りの工程に移っていきます。