日々雑録
☆彫りあがりました★65 「菖蒲巻き光背」
彫り上がりました。
立像1尺用の台座と光背です。
台座は古代型です。
光背は、菖蒲巻き。
製作にあたり、お客様から菖蒲巻きという名称の由来をご質問を頂きましたが、
明確なお答えは出来ませんでした。
このように菖蒲が巻いています。
正式な名称なのか、通称なのか、よくはわかりません。
我々は真宗大谷派のこの光背を菖蒲蒔き光背と呼んでいます。
菖蒲が螺旋状にまわって、
蓮の蕾と巻葉と開葉も生えている感じ。
見慣れてしまいましたが、改めて見ると非常に特徴的な光背です。
奈良市の法華寺の十一面観音像の光背と少し似ていますかね。。
蓮の表現は台座や光背でも様々なところに用いられますが、
菖蒲の表現はなかなか無いように思います。
端午の節句でも飾られるように、厄除け的な意味があったのかも知れません。
もし、情報があれば教えて頂きたいです。
あと、その菖蒲巻きの上側の頭光部分。
48本の光芒が桶に取り付けられ、中央に八葉が付けられます。
この八葉なんですが、今回はこだわりまして、
お東用として使用される‟唐八葉(からばちよう)”としました。
必ずしも毎回この唐八葉で仕上げる訳ではありません。
ただ、今回は意図的にそうさせて頂きました。
では、この後は塗師さんにお任せしたいと思います。
彫り上がりました。
舟型の宝相華唐草の透かし彫り光背。
材は尾州桧。
木地仕上げでも、贅沢に塗下としても使えます。
今回こちらを取り上げたのには理由があって・・。
こちらの彫り師さんは、長年お世話になってきた方。
この方の台座や光背の彫刻は、とてもバランスが良くて好きでした。
事情があって、なかなかお仕事をお願いできない状態でしたが、
久々にお願いが出来たのがこちらになります。
元気でお仕事が出来るうちが有り難い。。。
ホント、今まで数多くのお仕事をして頂きました。
まだ、この座彫り師さんが彫り上げた台座光背があるにはあるのですが、
この光背が最後なのかなと思うと、クリアケースに入れて置いておきたいな。。
なんてことも思っちゃたりもします。
とりあえずは桧なので、光に焼けない様に保管しておきます。
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