日々雑録
ブツネタ385「礼盤の格挟間は・・」
2015/12/22(火)
ブツネタ
礼盤(高座)を製作しました。
造りはオーソドックスな形状ですが、少し特記したいところがあり・・・。
この通り、オーソドックスは礼盤。
二間仕切り、黒漆塗り、面金、銅地毛彫りの金具打ち。
格挟間の裏板は岩緑青彩色・・。
岩緑青彩色・・。
そう、ここです。 これ岩絵具ではありません。
こちらは弊社は要所で使用する‟THE・ラザラ” 変わり塗り仕上げ。
膠+岩絵具ではなく、漆を使用する変わり塗りなので、
水気は怖くないので、水拭きだって出来ますし、
岩蒔き(岩彩色)ですと、手袋等の摩擦で傷が付くこともありますが、
THE・ラザラですと、そんな心配もありません。
もちろん、粉(岩)が落ちてしまうこともありません。
色漆、箔押し、岩彩色、そしてTHE・ラザラ
弊社ではこういった選択肢がございます。
あと、追記させて頂くと、
こちらの畳は、底に薄板を入れていて、
礼盤の天場の窪みに、この薄板がはまるようにしています。(赤線)
2尺2寸角の礼盤ですが、窪みに礼盤を収めると2尺角位になりますので、
座られますと畳から足先がはみ出てしましますので、
弊社ではこういった造りで製作することが多いです。
ブツネタ288 「正絹繧繝縁の礼盤畳」
最後に、面金の箔押しもご覧になってください。
面金とは字のごとく、面に金箔押しということです。
面取り部分のみに金箔を押す。仕事的には簡易的に見られがちですが、
仕事の良し悪しは露骨に出ます。
きれいな面金仕事は、グレードがぐっと上がります。
オーソドックスな礼盤でも、見るポイント、こだわるポイントは沢山ございます。