日々雑録
仏像修理の話83「これ、何かわかります?」
2019/06/10(月)
仏像修理の話
これ、何かわかりますか?
わかります?
正解は、これ。
光背(後光)の雲の渦彫り。
雲の渦の部分の彫刻です。
舟形の光背では、よく見られる渦雲なんです。
こちらは、過去に修理した渦雲の舟形光背です。
同じ立像1尺用くらいです。
修理後の写真なので、すこし雰囲気は違いますが、
こちらもよく彫れた光背でした。
渦の一つ一つは、後の写真ですが、
圧倒的に違うのが深さです。
光背の木取りから彫り出して、さらに渦雲のトップを、
別材を足して深さを表現しています。
このように、別材を足す渦雲のことを、
弊社では「雲の渦上げ」と呼んでいます。
これまで、沢山の光背を修理してきましたが、
立像1尺程度(光背丈は1尺5寸程)では、一番深い気がします。
立派に見えるので、良いと思うのですが、
下地を除去するのも、普通クラスに比べて倍以上の時間が掛かりました。
・・てことは、塗師も箔押師も時間がかかるということ。
納期がないので大変だ・・・^_^;
そうそう、
最初の質問の答えですが、
エビチリ、もしくは、パーマンのマスクの耳のところ、でも正解です。
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