日々雑録
【yomoyama⑭ -掛盤膳と掛盤卓-】
2019/04/03(水)
yomoyama
先日、洗朱(あらいしゅ)漆塗りの掛盤膳をご注文頂きました。
掛盤膳自体が値が上がっている中、通常よりも割増になる洗朱漆ですが、
時々ご注文いただけます。
![](as_maker/co_news/up_img/20190407034256.jpg)
![](as_maker/co_news/up_img/20190407034314.jpg)
![](as_maker/co_news/up_img/20190407034330.jpg)
![](as_maker/co_news/up_img/20190407034343.jpg)
この掛盤膳は、平安時代の宮中で使用された台盤という食卓がルーツ。
お膳ですから、そもそもは仏具という括りではないのでしょう。
曲線の脚が外に大きく張り出した掛盤膳は、昇殿を許された者のみ
宮中の宴席で使用されたと言われています。
現在使用されている霊供膳は、樹脂製のものが多いですが、
掛盤膳はいまだに木製品。
当たり前の感がありますが、それだけ現在は、代替品や偽物が蔓延していて、
いずれ、こういった量産品が本物と認識したりしないか懸念します。
高位の方にお出ししていた掛盤膳ですから、
そういった意味では、ご寺院においても、家庭の仏壇でも、
本来は掛盤膳が適当なのかもしれません。
浄土真宗本願寺派(お西)では、掛盤卓という仏具(机)があります。
掛盤の卓と書くので、
あたかも掛盤卓を置く机なのかと思ったりもしましたが、
浄土真宗では、霊供膳は使用しません。いわゆる、経机(経卓)になります。
こちらは、過去に製作させて頂いた掛盤卓。
![](as_maker/co_news/up_img/20190407042526.jpg)
![](as_maker/co_news/up_img/20190407042533.jpg)
![](as_maker/co_news/up_img/20190407044420.jpg)
名前の由来は、足のカタチだけ。。。
しかも下側の脚だけ。。。
下側の脚だけ掛盤卓 なんて言えませんもんね。
腰部分の蓮水彫刻や、鰭(ヒレ)の入子枡彫りのほうに目がいくので、
掛盤的要素は影が薄いのも否めません。
話が脱線しましたが、
掛盤とは、宮中で使われていた台盤がルーツで、
高位の方に掛盤膳で食事が振る舞われたという歴史がある。
今においても、色んな形状の霊供膳があるが、
掛盤膳はその中でも最も高尚である、
ということをお伝えしたかったんです。
最後までお読み頂き有難うございます。