日々雑録
ブツネタ303 「仏器箱・変わり塗り仕上げ★」
仏器箱が完成しました。
ブツネタ269 「仏器箱の制作」 でご紹介した分です。
こちらは木地の段階での写真。
あっさりしたシンプルな形状ですが、
今回この箱を一風変わった仕上げにしました。
とはいいましても、
彫刻を施したり、金具を取り付けたり、蒔絵を入れたり・・ そういった
ことではなくて、
この後の工程は、塗師さんと蝋色師さんの手に渡るのみ。
そう、今回の一風変わった仕上げとは”変わり塗り”を施しました。
蠟色まで工程がある場合、その殆どが、
ブツネタ172 「経机完成しました!」 で登場した経机ような
漆黒の艶のある鏡面のような仕上りになります。
また、ブツネタ192 「奥床しい☆半艶蝋色」 で登場したのは、
蠟色仕上げまで艶を出さない奥ゆかしい半艶蠟色仕上げ。
当社でもこの仕上げは稀ではあります。
・・で、
今回の仏器箱ですが、
下地は堅地。布も張ってきっちり手を入れています。
そして、変わり塗りの正体ですが、
この見本板で比較して頂くとわかりやすいかと。
左が黒蝋色。黒ピカの鏡面仕上げです。
そして右が、今回の仕上げ The Lazara~ザ・ラザラ~(仮称)
乾漆塗りにも見えますが、また別の工法です。
大きな特徴は、質感。
触ってみたくなる、手に馴染むといいますか、多少のザラザラ感があります。
でも滑らかな仕上がりで、現物を見て触って納得する・・・
そんな面白い質感な仕上りなんです。
さて、今回のような仏器箱は、頻繁に持ち運びをされます。
その際、鏡面の蠟色仕上げになると、
使っているうちに指紋や手垢で汚れてしまいます。
ですが、この The Lazara~ザ・ラザラ~(仮称)ですと、
表面に指紋や手垢が付かず、そういった心配は解消されます。
職人さんが試行錯誤のうえ、仕上がった
この★The Lazara~ザ・ラザラ~(仮称)★
写真では質感がお伝えしきれないのが残念ですが、
当社に来て頂ければお伝えできるように、
別の仏具をこの仕上げで制作してみようと思います。
記事一覧|ブツネタ
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- 12/07/31ブツネタ309 「色んな仏器箱、今回は六器台★」
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- 12/07/13ブツネタ307 「ミニマム雪洞完成しました」
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- 12/06/22ブツネタ305 「隅切春日型厨子」
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- 12/06/16ブツネタ303 「仏器箱・変わり塗り仕上げ★」
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