日々雑録
仏具修理のハ・ナ・シ10『紗綾形彫り説相箱の修理①』(全2回)
2012/12/14(金)
仏具修理の話
現在、説相箱を修理中です。
4面に紗綾型の彫刻が施されています。
さあ、どのように修理していきましょうか・・・。
このまま、漆を塗り替えると彫刻が今以上に埋まってしまいますので、
彫刻部分の漆、下地は除去しなければなりません。
仏像の復元修理であれば、水に浸け、下地を浮かせていくのですが、
こういった箱物ですと、
薄い無垢板で作られているために、水に浸けてしまうと、
板が反ってしまう危険性がありますので、
箱自体を水に浸けるのではなく、
彫刻部分を部分的に水を浸し、
全体に水気がまわらないように、下地を除去していきます。
部分的に虫食い被害も確認できましたが、
幸い、その範囲も少なく、
木地の取替えもわずかで済みました。
このあとは、塗師さんの手に渡ります。