日々雑録
仏具修理のハ・ナ・シ10『紗綾形彫り説相箱の修理①』(全2回)
2012/12/14(金)
仏具修理の話
現在、説相箱を修理中です。
4面に紗綾型の彫刻が施されています。
さあ、どのように修理していきましょうか・・・。
このまま、漆を塗り替えると彫刻が今以上に埋まってしまいますので、
彫刻部分の漆、下地は除去しなければなりません。
仏像の復元修理であれば、水に浸け、下地を浮かせていくのですが、
こういった箱物ですと、
薄い無垢板で作られているために、水に浸けてしまうと、
板が反ってしまう危険性がありますので、
箱自体を水に浸けるのではなく、
彫刻部分を部分的に水を浸し、
全体に水気がまわらないように、下地を除去していきます。
部分的に虫食い被害も確認できましたが、
幸い、その範囲も少なく、
木地の取替えもわずかで済みました。
このあとは、塗師さんの手に渡ります。
記事一覧|仏具修理の話
- 19/06/21仏具修理の話17『太鼓台の修復』(全1回)
- 17/05/02仏具修理の話16『説相箱の修理』(全1回)
- 15/05/17仏具修理の話15『文字彫刻を生かす位牌修理』(全1回)
- 14/12/23仏具修理のハ・ナ・シ14『袴腰造り鐘楼模型の修理』(全1回)
- 14/02/23仏具修理のハ・ナ・シ13『文字額の修理』(全1回)
- 13/11/04仏具修理のハ・ナ・シ12『新・拘り満載の卓修理』(全1回)
- 13/03/17仏具修理のハ・ナ・シ11『紗綾形彫り説相箱の修理②』(全2回)
- 12/12/14仏具修理のハ・ナ・シ10『紗綾形彫り説相箱の修理①』(全2回)
- 12/10/13仏具修理のハ・ナ・シ9『須弥壇・脇壇の修復④』(全4回)
- 12/10/10仏具修理のハ・ナ・シ8『須弥壇・脇壇の修復③』(全4回)