日々雑録
ブツネタ328 「京仏壇の製作工程」
先月、納めさせていただきました京仏壇。
制作風景を一部ご紹介します。
まずは木地。
製作風景こそ撮影していませんが、最も時間の掛かる工程になります。
本体となる側の部分、内部に入る斗組の部分、それぞれ別の職人が担当します。
板内1尺8寸のお仏壇。
木地が完成後の写真を撮っていますのでご紹介します。
木地が完成し、全体をチェック。
不具合がないか、寸法が合っているか、を確認し、
どのように仕上げていくか作戦タイム。楽しい時間です♪
さあ組んでいきましょう。
コロが付きの台。
下台には、引き違い戸と引き出しが入ります。
下台の上に、脇板を取り付け、
3枚からなる正面の向板を取り付けると、
三方の壁ができます。
下から膳引き、〆敷居、下段を重ねて、
下段は欅の無垢板を使用し、
仕上げは杢を生かす仕上げを施します。
中段、
上段、須弥段を乗せて、前狭間、上台輪を固定。
障子を入れるとこうなって、
雨戸を付けたらこうなります。
今回のお仏壇は、出迎門なので
彫り物はこの段階では彫り上がってないのでありませんが、
柱や虹梁、斗組や折上げ格天井が入ると、こうなります。
追いかけて、彫刻が完成。
次は塗師の手に移り、
まずは漆を塗るまでの下地工程。
漆を塗るまでの下地工程は、木地同様に長い工期が必要となります。
この工程を短縮すると、後の工程で支障をきたすこととなります。
こちらは塗り場です。
漆塗りの写真は、タイミングが合わず撮影が出来ませんでしたが、
こちらは、室(ムロ)で、漆を塗り上げたパーツを乾燥しているところです。
漆が塗り上げられた後は、蝋色師の手に渡ります。
炭砥ぎで塗り面を平滑にし、
生漆を摺り込み、艶を出し、
油と磨き粉を手や指先で磨き、
このように鏡面の黒ピカに☆
その後、箔押、蒔絵、彩色、カザリ金具の工程を完了し、
最終組み立て、金具打ちを経て完成に至りました。
障子の腰の部分には、
宝尽くしを☆
そして、障子の紗には、
本金の竹屋町唐草紗織りを張りました☆
では、では、次回に完成した京仏壇の概要をご紹介します。