日々雑録

ブツネタ457「位牌の手彫り文字彫刻」

2021/02/07(日) ブツネタ

 

『位牌の文字彫刻』

 

(黒面粉札に手彫り文字・文字に金粉入)

 

弊社では位牌文字は、手彫りを推奨しております。

近年は、位牌の文字彫りは、機械彫りが多くを占めています。

機械の文字は、きれいな字ではありますが、

全てが一定で、私的には味気がなくお奨めはしていません。

 

仏具の業界には沢山の工程の職人がおりますが、

京都には、位牌の文字を専門とする文字彫師がおります。

同じ彫りでも仏師や仏具の木彫刻師に比べると、日の当たらない工程ではありますが、

弊社にとっては、切っても切れない貴重な職人です。

 

そして私共は、位牌の文字彫師の存在をお客様にお伝えすることを常に念頭に置いています。

専門店だからこそ、職人を守り育てることが私共の使命と考えているので

長年位牌文字は手彫りにこだわり続けている訳です。

 

 

 (谷口謹製 新一重渕位牌・朱面粉札に手彫り文字・文字に金粉入)

 

位牌の手彫りで大変な点を申しておきます。

位牌は木製ではありますが、その大半が塗装がされています。

漆であったり、カシューであったり。 そして、その塗りの下には下地が盛られています。

この下地の成分によって、彫り易かったり、彫り難かったりするのですが、

塗り面に文字を彫るのは刃が滑りやすく、経験と技術が求められます。

 

(黒面金札に手彫り文字・文字に金箔入)

 

文字が彫りあがった後は、

札が面金の場合は、表の彫り文字の中に金箔を入れ、

札が金箔の場合は、表の彫り文字の中に青(絵具)を入れます。

 

(金箔札に手彫り文字・文字に青入)

 

また、弊社では、

札が面粉の場合、表の彫り文字の中に金粉を入れます。

弊社が依頼を受ける位牌で最も多いのが、この面粉です。

艶の消えた上品な消金の位牌ですので、文字も同様に金の消粉を入れます。

 

(面粉札に手彫り文字・彫り文字に漆を塗り、金粉を蒔く)

 

(面粉位牌に手彫り文字・文字に金粉入)

 

弊社は長年位牌を製作しているので、位牌制作に対する思いが強く、

同様に位牌文字への思いも強いのです。

手彫り文字と位牌制作は不離一体なんです。

 

(谷口謹製 一重渕位牌・溜面粉札に手彫り文字・文字に金粉入)

 

一般的な大きさですと、手彫りは1文字400円(税別)頂戴しております。

(文字金や文字粉は別途お代金がかかります)

 

お一人の平均文字数が、表裏を合わせて30字くらいなので、

お一人約1万2千円くらいです。

 

位牌文字は、手彫りをおすすめ致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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