日々雑録

仏像修理の話95『大黒天修理と升大黒』

2025/02/25(火) 仏像修理の話

 

今回のご依頼は、大黒天像の修理。

 

昨年、修理させて頂いた大黒天さんと、よく似た損傷。

仏像修理の話93『小さな大黒天像の修理』

 

前回同様、お顔が摩損し、

眉、鼻、唇が削られてしまってます。

 

そして、両腕、腹、膝、足先、俵が欠失。

こちらはスパッと切り落とされている感じに。

 

横から見ると痛々しい損傷。。

 

 

他にも欠損や摩損がありますが、

材の目も細かく、良く彫れたお像なのがわかります。

 

前回と同じく、尾州桧材を使用し、

 

お顔に関しては、鼻や唇は木を足して彫刻し、

眉に関しては、刻苧にて整形しました。

 

欠失した両手や両袖、小槌、両足先、俵も同様に彫り出し、

他、衣等の小さな損傷には、主に刻苧にて木地修理を行いました。

 

 

 木目は極力合わすように。

また、框は新規で用意しました。

 

 

その後、

木地修理した部分は、補彩し、

 

今回は追加で、厨子のご依頼も。

 

 

大黒天は、升型の厨子に祀られることが多いです。

安物が出回っているので、あまり好きではないですが、

像に合わせて適正な大きさで作ると、様になります。

 

 

商売繁盛の大黒天を、升に安置。

マスマス繁盛ということなのでしょう。

通称、升大黒(枡大黒)と呼んでいますが、

いつから升に祀られるようになったんでしょうか。

 

 

次に依頼を受けるときには、答えられるようにしときたいと思います。

 

 

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