日々雑録
ブツネタ473「オリジナル七高僧掛軸」
2021/11/24(水)
ブツネタ
七高僧掛軸の製作のご依頼を頂きました。
七高僧とは、真宗(浄土真宗)で、釈尊から親鸞に至るまでの間に本願念仏の教えを開顕した7人で、
親鸞聖人が尊敬されているインド(龍樹・世親)、
中国(曇鸞、道綽、善導)、日本(源信、源空)の7人の高僧のこと。
一般的な七高僧掛軸は、
印刷はともかく、手描きであっても量産できるように構図が決まっています。
今回のお仕事では、お客様のご意向を取り入れ、下絵からのオリジナルです。
普及品と大きく異なるのは、各高僧が2,3割大きいということ。
本紙に対して7躯の高僧を描くにあたり、
バランスよく配置させるのに、中国の高僧3躯が重なる配置としました。
数回の修正を経て、完成した下絵がこちら。
大きく描くことで、表情を豊かに描くことができ、細部においても、より文様を描くことができます。
そもそも、存在感が増します。
製作寸法は、軸総丈180㎝。 一貫代の大きさ。
本紙は絹本。
枠に絵絹を張り、先にベージュの背景を塗り、
下絵を写し、色を入れていきます。
ご猶予は十分に頂けたので、じっくりと腰を据えて製作させて頂けました。
仏画が完成すれば、次は表具師の手に渡ります。
表装は本表装(手表装)。 修理が可能な伝統的な工法です。
裂は、本金の照金をお選びいただきましたので、
何種類かご提案をさせて頂きました。
大谷派でしたので以下の4種の中から
こちらの高台寺牡丹をお選びいただきました。
表具師さんの工房にて。
そして完成がこちら。
七高僧のオリジナル
稀有なお仕事で、大変勉強になりました。
ご縁に感謝。 ありがとうございました。
記事一覧
- 24/10/10ブツネタ496「鬼が宝経を支える立経台」
- 24/09/25☆彫りあがりました★76「麗しの総白檀・日蓮聖人像」
- 24/09/06ブツネタ495「文殊・普賢菩薩の図像で釈迦三尊」
- 24/08/01ブツネタ494「今年もお地蔵さんの祠製作」
- 24/07/10仏像修理の話94『山の阿弥陀像の現状維持修理』
- 24/06/10ブツネタ493「楓の寺号表札の製作」
- 24/05/10仏像修理の話93『小さな大黒天像の修理』
- 24/04/28ブツネタ492「既存両大師像、活かしながらグレードアップ」
- 24/01/20仏具修理の話27『文字彫刻を生かす位牌修理』
- 24/01/10ブツネタ491「清浄な白い蓮華の位牌」