日々雑録
ブツネタ474「お西木仏点検の阿弥陀像①」
本願寺派(お西)の御木仏点検を含むご本尊製作のお仕事 をご依頼頂きました。
5年くらい前までは、定期的に木仏点検のお仕事がありましたが、近年は激減・・。
とはいえ、かたまるときはかたまるもので、
来年は、お西の点検と、お東の点検が1件ずつご依頼を受けております。
お西の場合は、
御木仏と御台座と御光の全てが点検の対象となり、
点検は2回に分けて、1次審査は写真審査、2次審査は現物審査があり、
その審査に通ると、ご本尊と御光にご門主印が押印され、證書が授与されます。
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ということで、まずは彫り上がりまでをご紹介します。
材は、木曽桧。 身丈は1尺2寸。
差し首の構造。
そして、像内は内刳りをし、内部を空洞することによって、重量の軽減や干割れの防ぎます。
まだ粗彫りの段階です。
あと、内刳りすることによって、
像内に納入品を納めることができます。
像内納入品は、毎回ご提案をさせて頂いています。
修復の時もですが、新誂の場合はなおさらです。
理由の一つとして、
まずは、より関心を持ってもらう。
その納入した事実を後世に伝え、
次の代、またその次の代の方にも関心を持ってもらう。
今回も施主様にご提案し、納入することになりました。
納入品は、墨書きをした和紙。
パラフィン紙と緞子裂で包み、差し首部分から内刳りされた像内に納入しました。
そうそう、内刳りといえば、お顔もです。
刳ったお顔の内部から玉眼のレンズを取り付けます。
レンズは石英製。
弊社では、透明度の高い石英製レンズに拘っています。
こちらの要望に応えて下さる職人さんには感謝。
今年は数えてみれば、年間で15枚のレンズを作って頂きました。
そして、こちらが彫り上がりです
下地をして漆を塗って、金箔(肌にはさらに金粉を蒔いて)で仕上げますので、
木地(素地)仕上げよりも、彫りは深く彫り上げます。
下地や漆、その後の金箔、彩色の工程までを考えたうえで、
各工程が最善を尽くし、良い仕上げを目指します。
続きは次回に完成までをご紹介します。
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