日々雑録
ブツネタ454「釈迦三尊の壁画納入」
周年事業に際し、裏堂の垂れ壁に釈迦三尊像の壁画を発案され、お声を掛けて頂きました。
仏画の制作は頻繁ではないですが定期的に頂いており、
以前に裏堂に同様な釈迦三尊図壁画を納めさせて頂いた実績もあり、
ご住職様にも安心してご依頼を頂けたように感じております。
今回の壁画のスケールは、巾8尺5寸(2m60㎝)、高さは4尺7寸5分(1m45㎝)
幅に関しては前回製作を上回る大きさです。
下絵を起こす作業から始めます。
絵の配置やバランスなど、この下絵で決まるので、何度も修正を入れ、時間をかける工程になります。
下絵が書けると、いよいよ本紙に下描きです。
本紙は、今回、高知麻紙を使用しました。
高知麻紙は、麻の繊維が大きく特有のうねりがある紙で、
フェルトのような風合いと厚みがあり、強度もあります。
表具師にその麻紙を裏打ちしてもらい、絵師へ。
その麻紙に下絵を写し、
あとは、絵師さんにすべてを委ねます。
定期的に、伺いその進捗を確認します。
常に完成図を想定しながらの作業が続きます。
納期も十分頂けたので、とくに急かすこともなく、
楽しみながらその完成を待つことができました。
今回の仏画は、幅が2m60cmのスケールなので、本紙は3分割になりますので、
絵が描き終わると、今度はいよいよ現地での作業になります。
壁画の表装は、
裏堂の壁は漆喰なので、まずは板を張る作業から。
板を張り終わると、和紙の下張りを2枚。
表具師2名の手際と連携の良さは、いつ見ても惚れ惚れします。
張ったあとはしばらく風をあてて乾燥させ、ようやく本紙を張ります。
3分割の仏画。まずは中央から。
次に左脇侍。 文殊さん。
そして、右脇侍。 普賢さん。
最後は動画でどうぞ。
空いたスペースに立派な釈迦三尊像の壁画が取り付けられました。
何事もバランスが大事です。非常に良い感じで納まりました。