日々雑録

ブツネタ480「木製(栃材)の骨壺製作」

2022/12/27(火) ブツネタ

 

最近、骨壺のご依頼を受けることが増えました。

 

需要が増えているので多くのメーカーが商品を企画されています。

弊社もこれまでメーカーが量産する商品を取り寄せて何度か販売させて頂きました。

ただその多くが、金属製か陶器のもの。

 

今回もまずはこのメーカーの品をご覧頂きましたが、

温かみの感じれる木製のお骨入れを考えて欲しいとのことで、企画させて頂きました。

 

形状は、円柱の寸胴型。 茶筒の形状。 挽きものです。

 

 

材は、清浄な白系で考え、

桧などの針葉樹ではなく、杢目が独特で美しい広葉樹の栃(トチ)をご提案しました。

 

こちらがその栃材。

光の加減で光沢感が生じる美しい木です。

細かい木目。かなりの良材になります。

 

さらにこの杢。

 

波状になったこの杢目を縮杢(ちぢみもく)といいますが、

この特徴的な木目を全面的に出るように製作します。

 

 

今回の製作は、ろくろで成形する挽きものですが、

身と蓋の合口は印籠蓋(いんろうふた)になっていますが、

その合わせ目は絶妙★

こちらの動画を見れば、その仕上がり具合がよくわかります。

 

 

 

杢目もきれいに合わさり、

 

厚みは薄く、繊細な仕事がよくわかります。

 

粗で木取をして、半月ほど乾燥させて木地を動かせ、

それからロクロで仕上げていきます。

 

 

デリケートなお仕事。

すぐに完成とはいきません。

 

そして今回は、故人のお好きな花の絵を描きました。

 

美しい栃の杢を絵で埋めることはせず、

どの部分を正面にしても絵が描いてあるのがわかる程度で。

 

お好きな花は菊。

 

 

ツボミが多めということで3回ほど描きなおしました。

 

 

 

 木地への彩色は、一回勝負。

目が詰まっているので色のノリと

円柱側面への彩色が描きにくいので、すこし心配でしたが

上品で控えめに、あくまで木の個性を消さずに絵を描き入れました。

 

写真の撮影がもう少し上手に撮りたかったのですが

実際は現物のほうが良い感じです。

 

 

 

 

 

 

オリジナルのお骨入れ。

 

 

 

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