日々雑録

ブツネタ498「3年続けて地蔵祠の製作」

2025/04/21(月) ブツネタ

 

 私の大好きなお仕事。

3年続けて、お地蔵さんの祠のご依頼を頂きました。

 

昨年の投稿を見て、

カタチが良いと関心を持って頂けたとのこと。

 

 

 

今回の祠は、前回よりも大きく屋根張1100㎜での製作です。

 

前回が、屋根張810mmでしたので、3割以上も大きくなります。

 

 

 

今回の祠に祀られるお地蔵さんは、像高650㎜。

前回製作の祠に、実際のお地蔵さんの画像を入れてみました。

 

 

前回と同様に床板はなく、土台に直接、石像のお地蔵さんを安置します。

 

大きさ以外は、前回の祠と概ね同じではありますが、

2点グレードを上げました。

 

それが懸魚と連子窓。

 

前回の祠は、懸魚をシンプルな仕様としましたが、

今回の懸魚は表は彫刻入りとし、(裏はシンプルな形状)

連子窓に関しては、今回は正面と後面の前後に、透かしの連子窓を入れることにしました。

 

というのも、

三方を壁で覆われている前回の立地だったのに対し、

今回は四方に壁がなく360度から祠を拝めます。

 

透かしの連子窓については、

地蔵の祠で取り入れているのは他社製ではないでしょうから、

今回の両面連子窓はなかなか面白いかと思います。

 

 

材料は総桧材。

 

 まずは屋根の基礎から。

 

こちらは胴の部分。

 

外置きですので、きっちりホゾ組みの構造とし、

 

接合箇所には、雇いザネや留めを全てに入れて固定。

 

 

組んでしまうと、どのような構造なのかわからなかったりしますが、

仮に、こういった補強がなければ、早々に問題が生じるでしょう。

 

こちらは、脇板の端切れです。

接合部に溝を作って、別材(矢印部分)を入れて接合している雇いザネの補強がよくわかる画像です。

 

 

 

そして、屋根です。

反り方やバランスがとっても大事ではありますが。

さらに強度面なんかは、こちらの画像を見て頂ければ納得頂けるかと思います。

 

 

 

 

屋根は太鼓状にして、これだけの数の根太を入れています。

 

 

板を葺いていくわけですが、

上の板は、3層にしています。

物置のCMやないですが、上に乗っても大丈夫です。

 

 

屋根が出来れば、板金の工程に移り、

銅板を使いたかったのですが、予算の関係で、今回もガルバリウム鋼板を使用しました。

 

銅と違ってかなり硬くて、なかなか大変そうです。

 

 

板金で葺ければ、屋根は完成になります。

 

残るは、今回パワーアップした連子窓と懸魚。

 

枠に連子棒を5本ずつ取付け、

 

前後両面に設置。

 

 

そして、懸魚はこちらが前面。

彫刻、六葉入りで立派に。

 

 

 

後面は、シンプルなものとしました。

 

 

 

今回は祠の製作のみのご依頼で、

基礎工事や設置は、設計士さん側がして下さります。

 

 

それでも、弊社で出来ることは、前回同様に

底面には、生漆を摺り込んで養生をし、

柱内部に鬼目ナットを取り付け、

四隅にステンレスのボルトを固定できるようにして、

 

角座金分が、空くことで

雨で土台に溜った水が、浸りません。

 

 

 

 

 

無事に設置をして頂き、拝見してきました。

後面の連子窓から、陽が入ると後光が差す感じになれば・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

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