日々雑録
ブツネタ459「専門的☆仏具の移動」
仏具の企画、製作、修復だけでなく、よくご依頼を頂くのが「仏具移動」。
堂内改修工事に伴う仏具移動は、
予算があれば、仏具の修繕も考えられるのでしょうが、
近年はなかなかそこまで至りません。。。
とはいえ、
仏具専門であるから故、ご依頼があれば喜んで務めさせて頂きます。
最近の事例で申しますと、
堂内壁面を直すので、宮殿等の主要仏具を移動させてほしいというご相談がありました。
宗派は浄土宗。
宮殿の屋根張は7尺ほど。 それなりに人数も必要です。
仏具に傷を付けないよう、そして我々も怪我がないよう、細心の注意を払います。
実は、こちらの宮殿は弊社が製作納入したものではなく、
納入元が不明で、得意先の仏具店さんから弊社にご相談がありました。
他社製となると、当時どのように設置(固定)されたのか、
仏具がどのような構造なのか、わからないのでリスクはあります。
(今回は丁寧に仕事をされていましたので、スムーズに作業を行えました。)
次に、昨日終えたお仕事ですが、
廃寺となる寺院の仏具を、遠方の寺院で使用されるとのことで、
その仏具移動を弊社に依頼できないかというご相談でした。
寺院解散という現実を目の当たりにする何とも言えない寂しさがありましたが、
残された仏具を新たな寺院で祀られることに少し安堵は致しました。
輸送元、輸送先のどちらの寺院も弊社とのご縁は今までなく、
石材屋さんのご紹介で、お仕事をさせて頂く経緯となりました。
仏具の取外し、梱包、4tトレーラーの手配、積み込み 迄が弊社の担当。
輸送先の寺院の搬入は、現地の仏具店にお任せしました。
今回は本願寺派の寺院で、仏具自体はおおきくないものの、
中尊の宮殿・須弥壇、ご両脇の厨子・須弥壇、中尊前卓、欄間、納骨堂厨子・須弥壇、菱灯篭 他
点数はそこそこあります。
安全な取り外し作業、梱包と積み込み、それに加えて
上記仏具全てを4t車に載せることもミッションに加えられました。
お寺にトレーラーが着くのが15時。
その時刻までに、積込むスペースの確保、金箔や彫刻の養生を考慮し、
思案しながら梱包作業を行っていきます。
今回も他社製の仏具であったため、想定しない構造により、
想定外の梱包になったりもしましたが、そのへんは臨機応変に対応しました。
積込み開始から、1時間半。
なんとか全ての仏具を積み込みできました。
輸送屋さんも非常に丁寧で、こちらとしては非常に助かりました。
色んなリスクが生じる可能性がありますが、
こういった仏具を製作させて頂いている側の立場ですので、そのリスクは解消できます。
また、こういった業務も積み重ねると良い経験にもなります。
弊社としましては、ご寺院がお困りであれば、他社製であっても対応させて頂きます。