日々雑録
モノづくりの現場から14「金工の工房から」
2021/02/14(日)
モノづくりの現場から
ちょうど1ヶ月前、説相箱を製作中という記事をあげましたが、
現在は、金工の作業に移っています。
今日は金工の工房からです。
今回は通常の説相箱の造りと違い、
重厚で金具の厚みにこだわる特別なお仕事になっています。
格狭間に嵌まる繰型。
厚さ7㎜の銅を、金工用の鋸で抜いていきます。
火を入れてなますものの、これだけの厚みがあると簡単には切断は出来ません。
木工のように電動の糸のこ盤で切れれば楽なのですが、
回転数が合わないので、地道に手で挽くしかありません。
1個の外側を抜くのも数時間かかります。 それを14個です。
切断したら、ヤスリをかけて断面を整えます。
型紙を貼って抜いているので、全てがほぼ同じですが、
プレスや電鋳なら同じものが多量に生産できるのでしょうが、
一つ一つ手で抜いているので、ほんの僅かですが若干の違いが生じます。
各繰型にあわせて、本体木地の格狭間も抜きます。
木地と銅が隙間なく作るのが今回の重要なポイントの一つです。
さて、銅の繰型はまだまだ、続きがあります。
さらに片側に1㎜の銅板を蠟付けして、
肩となる1㎜の覆輪(糸面)となる部分を接合させます。
このあと、外側同様に内側も手鋸で抜き、
覆輪となる1㎜の銅板も切り取って処理することになります。
通常仕上げとは数倍、いや数十倍大変な作業です。
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