日々雑録
ブツネタ452「珍しい椅像での製作」
2020/11/08(日)
ブツネタ
先日、製作を開始しました。
弊社のルーツが仏師だったこともあり、
これまで多くの仏像を製作させて頂きましたが、弊社ではおそらくお初です。
京都では、六道さんでお馴染みの六道珍皇寺像や、
大山崎の通称宝寺、宝積寺像が有名なお像です。どちらも、見仏させて頂きました。
あと、奈良の百毫寺像も見仏しました。
この3躯は非常によく出来た像で、その迫力は圧巻です。
もうおわかりでしょう。今回製作させて頂くのは閻魔像です。
先に挙げた閻魔像は、私の中で正統派でして、
実は今回製作させた頂く閻魔さんは、上記の正統派タイプではなく、
大和郡山市・矢田寺の閻魔像を参考に製作することになりました。
粗彫りでもお顔は、閻魔さんの雰囲気が出てきています。
さて、この矢田寺式の閻魔さん。
正統派の閻魔さんと大きく違うのは、大きく口を開けていないところ。
閻魔さんといえば、かなり怒っている憤怒の表情をされていますが、
矢田寺像は表情こそ厳しめながら、そこまで怒っておられるようには見えません。
その真意こそわかりませんが、それはそれで恐く感じます。
座り方にも特徴があります。
正統派は半跏趺坐ですが、矢田寺像は椅子に腰かける椅像。
半跏趺で座ると像の幅も広くなり、存在感も増すのでより迫力が出るように思います。
とはいえ、あくまでモデルは矢田寺像ですが、
そこからアレンジを加え、オリジナル像を製作いたします。
どのような閻魔像が仕上がるのでしょうか。