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私が仏師を志したのは大学を出てからなので、仏師としては変り種だと思います。ふつうは中学を出てすぐに修業に入り、25,6歳で食べられるようになるというのが一般的ですから。父が松久朋琳先生の作品に、漆を塗る仕事をしていた関係で、なんとか内弟子にしていただくことができました。
内弟子という徒弟制度もいまでは珍しくなりました。住み込みで、師匠の身の回りのお世話をしながら、仕事を教えてもらうんです。給料はなくお小遣い程度。ご飯を食べさせてもらえて仕事を覚えられるんだから当然というのが、当時の普通の考え方でした。
弟子の中で一番下っ端の私が、一番年上です。言うに言えないつらいこともありましたが、おかげでずいぶん鍛えられました。また、師匠がよく見ていてくれて、落ち込んでいると時々縄暖簾に誘ってくれるんですね。それにも助けられました。いまでも私は師匠に惚れてここまで来られたと思っています。 |