京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏具修理の話8『文字彫刻を生かす位牌修理』(全1回)

2015年05月17日(日)



時折、位牌の修理のご依頼があります。


在家では50回忌で弔い上げすることが多いので、
位牌修理というのは殆ど皆無ですが、


寺院用位牌の場合、

江戸年間のお位牌は何ら珍しくありませんので、

お位牌修理のお話は時折ございます。




今回のクライアントは・・


こちらの妙心寺型と、円窓入りの屋根付位牌。







お位牌自体は特別な形状ではありませんが、

札に彫られた文字を見ると、その字が独特でカッコ良くて、

この字は残すべきですと・・

この字を残すことに重きを置く修理方法を選択。













弊社でも、位牌修理において札のみを現状のままとし、

台座と屋根(雲)のみを塗り替える方法を採る場合がありますが、

妙心寺型位牌のほうは、その修理がされており、

雲の彫刻など、ぼってりと塗り膨れてました。



上から上から塗っていくと、このように彫刻が埋まって、

不細工になっていくのですが、


今回の修理では、

札を含めて全ての漆と下地を除去し、木地に戻します。





木地に戻して、より感じたのは、

本体の彫刻よりも、文字のほうがグレードが高い・・ということ。


双方、字体は違いますが、味があって良いですね。

近年の位牌の文字彫刻は、機械彫りが多くてため息が出ます。

弊社では、手彫りを推奨しております。









ただ、屋根付位牌の裏面の文字が、小さくて浅く・・。

この面の文字だけ、どうするか迷いました。



木地に戻した後は、

下地と漆塗りを通常通り行いました。






下地と漆でで埋まった文字は、なぞるように彫刻し文字を出します。

文字彫刻師からすれば、通常よりも手間が掛かります。









先程、迷ったという屋根付位牌の裏側の文字は、

下地と漆を塗ると完全に埋まってしまうので、

漆を摺り込むのみとし、養生をして下地と上塗りは避けました。





文字彫刻には、相当な時間をかけ、

修理前の写真や、型紙をもとに、なぞり文字彫刻。











この後、金箔を押して修理完成です。





















「文字にこだわる」

今回のテーマでした。


といのも、先にも申し上げましたが、

近年の位牌の文字彫刻は、機械彫りが普及し、

さらには手彫り風の機械彫りまであるとか。


地域によっては文字書き(漆文字)が主流なところもありますが、

京都及び関西では、文字彫刻が一般的です。


位牌の文字彫刻というのは、非常に地味ではありますが、

京都には位牌の文字彫刻専門の文字彫りの職人がいます。

朝から晩まで位牌の文字を彫刻してます。下地や漆が塗られた位牌は、

通常の木地の板を彫刻するのと違い、また違う技術を要します。



弊社は機械彫りではなく、手彫りを推進していきます。