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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

ブツネタ439「極上の雲袖位牌の製作」

2019年07月11日(木)


雲袖位牌のご注文を頂きました。


過去にも数回、京都製の雲袖位牌を製作しましたが、

製作機会の少ない位牌ですので、

前回と同様のご注文でしたが、
それよりも少しグレードを上げて製作させて頂きました。


札丈7寸の雲袖位牌。

こちらが木地彫り上がり時。



正面から見ると、前回と大きな違いはありません。


こちらは側面。





これで普通のようにも見えますが、

位牌って結構、側面を省く傾向にあります。
(彫りだけでなく、金箔を省くことも多いです。)

後ろ面は、ほぼ100%彫りは省かれます。
そして、側面においても結構な確率で彫刻が省かれたりもします。




今回は、前回彫刻のなかった部分にも彫りを入れました。
横に並べて比較しないと、わからないかと思いますが。


これ以上グレードを上げるならば、

材が紅松なのを尾州桧にするとか、
正面が透かし彫りの段を、脇も透かし彫りにするとかでしょうか。



とはいえ、

蓮華を彫り出しではなく、
葺蓮華にしたら、グレードはかなり高くなります。
先に言ったグレードよりも効果的でもあります。


一枚一枚蓮華を彫り出して、蓮肉となる蓮台に接着します。



彫り出しの蓮華の場合は、金箔で仕上げるのに対し、
葺蓮華は、岩彩色(緑青)にて仕上げます。



彩色の蓮華が入ることで、位牌に締まりが出ます。

そして、蓮華の筋を通常であれば金泥描き(筆で描く)のではなく、
截金(キリカネ)にて仕上げました。






截金は金箔を焼き重ねたものを線状に切断し貼り付けていますので、

金泥よりも艶があり、またそのラインの太さが筆で描くより一定で、
蓮華の仕上がりが一層映えます。


ですから、最高の仕上げをお選び頂いたといえます。




蓮華の天場にも、仏像のお台座の蓮台と同様に、タネの表現等もしています。





あと、こういった位牌で、弊社が塗師さんに必ず指定するのは、
地擦りを朱塗りにするということ。


多くの雲袖位牌は、

地擦り部分を金箔で仕上げられているのを目にしますが、


こちらは絶対的に朱塗りにされるのが格好良いです。
(好みといえばそうかもしれませんが)





あと、地擦りの下場は刳っているのですが、こちらには金箔を押します。

置いてしまえば分らない。なのに何故金箔を押すのか。。。

理由はとくにありません。
こうしないといけない訳でもありません。

普段はユニクロのパンツをはいているのに、
今日はポールスミスのパンツをはこう、てな感じです。

見せる場が無くても、自己満足の世界。
手を抜いていない証拠でもあります。






満足いく仕上がりになりました。


皇族関係や高僧位牌にも使われきた雲袖位牌。
製作する機会は頻繁にはありません。

ご縁を頂戴しまして有難うございました。