京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話39『過去の修理が見え隠れ 

2019年04月09日(火)


現在、在家用(在家のお仏壇用)としては、

大きめのご本尊用台座・光背をご修復させて頂いております。



これまでに数多くの修復のご依頼を頂いてきたので、

どう修理すべきか、またどういったご提案を何通り程すべきか、

お蔭さまで、特に得意な分野となっています。



今回のお仕事は、こちらの台座と光背です。


なかなか個性的な感じ。




身丈1尺1寸という、在家用では大きめのご本尊用。


光背の透かし彫りは、カタチは悪くないものの、ゴテゴテした印象。




台座は、光背以上にゴテゴテした感じに。

間違いなく、塗り重ねられた “そらアカン修理” です。


ただ、台座を見ると、塗り膨れただけではないような彫りの埋まり具合。

そこから、台座と光背は彫り手が違うことが推測できます。


塗り替える場合、既存品を出来る限り生かすことを考えます。

少々台座の彫刻が粗いのですが、蓮弁は筋彫りでカタチも良いので、

台座は行かし、最下部の框だけは目に余るので、ここだけは取り替えることを

ご提案しました。


既存品は、上から下まで金箔ですが、

修復しても総金箔の場合、締まりがなく、よく見えません。

ですので、蓮華は彩色での仕上げをご提案しました。


仏壇内では暗くてよくわかりませんでしたが、

下地を除去していくと、結局のところ、下から彩色が出てきました。

こういったことは頻繁にあります。





そして、下地を除去し、木地に戻したのが以下の写真です。




こうやって見ると、

光背の色と、台座の色が違うのがよくわかります。


また光背は、別材が一部ありました。





光背先です。欠損したので補作されたのでしょう。


あと、筋彫りの蓮弁。





彩色と漆金箔の層があるのでかなり振り膨れています。

ただ、蓮弁のカタチはきれいなので、

蓮弁と他の台座の彫刻の彫り手が違うと推測します。




まあ、そんなことはさておき、いろんな修理の形跡が見えることは、

裏返せば、ご本尊を大事に維持されてきたと言えます。

きっちり修復をさせて頂いて、

後世に残すのに恥ずかしくない仕事をさせて頂きたいと思います。




木地修理も完成しましたが、

以降は、また改めてご報告いたします。