京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

★合掌★手を合わそ23「小さな弘法さんの礼拝壇」

2018年01月10日(水)



前回からの続き






超小型の厨子(戸丈1寸7分)の修理は、

よくあるサイズ(戸丈1尺〜2尺くらい)に比べると、


同じ厨子ではありますが、また別のものを製作している感じで、
非常に勉強になりました。




この極小の厨子並びに弘法大師像は、
そもそも懐中用に作られたものと考えられます。




この弘法さまを懐中ではなく、
礼拝できるようにどのように祀るか・・・


非常に面白いお仕事でもありましたが、
施主様を納得させるだけのご提案を、予算内で出来るかというのが
非常に難しくもありました。



施主様が、地元の仏壇店でも相談をされたところ、
価格は弊社よりもお安くご提案をされたとのことでしたが、

既製の仏具を組み合していくというプランだったとのことです。




そのような方法も考えなかったわけではありませんが、


やはり、どのように演出するか考えた場合、


大きさの調和は、非常に大事になってきます。




既製品の組合せで、ピッタリ大きさが調和すれば、


選択肢として考慮しても良いかと思います。





しかし、これだけの小さい厨子に調和させる仏具なんて、


まず既製品では対応はできません。




なので、このように図面を用意し、この厨子用に企画したわけです。




ただ、今回は少し裏技を駆使しました。

もちろん施主様にもご説明いたしましたが、

矢印の箱台に関しては、弊社が昔に製作した仏壇の一部を使用しました。





何かに使える時が来るだろうと取っておいたパーツです。


白矢印がその箱台。

古くなっていますが、木地はしっかりしており、塗替えて使用します。

それに地擦り(黄矢印)を補作しました。



そして、天場には、ひな壇を1段設け、その上に厨子を乗せます。


全てにダボが入り、安定は問題ありません。




地袋の台を含めた全貌はこのような感じです。






そして、

今回の要所がこの3本立の蓮1対。




これがないと、この礼拝壇は満足いく演出が出来ないと、

施主様にもご説明をさせて頂きました。


小さな弘法さまとお厨子。

既製品ではない、ハイレベルな技術、それを演出するにはこの蓮しかない。



そのように思いました。



蓮は桧で。(茎は竹です)



花瓶は欅で。







弘法さんや厨子同様に極小の常花ですので



花瓶にもダボを仕込み、



漆を塗り上げて、



蓮は消粉(純金粉)を蒔き、






花瓶は、変わり塗りで質感を変えて仕上げました。









ここまで小さいと、何を作るにしても大変です。。。




最後に、こちらの金具。

こちらは地袋のケンドン戸の摘み金具です。

こちらも数年前に、サンプルで製作した分で、

今回は大奉仕で、こちらを使用させて頂きました。






そして完成です。










養生のアクリル板を敷きますが、天場だけは蝋色仕上げに。




まさに鏡面。この映り込みを見れば、蝋色の完成度がわかります。


あ、肝心の弘法大師さまの椅子は、





椅子の脚を補作し、補彩し、しっかり修理は完了しています。
(写真を撮り忘れていました)




最後に、全体はこのような感じ。






実際に納入した写真がこちら









ブログのタイトル通り、
手を合わす場所のご提案をさせて頂きました。

施主様に喜んで頂けたことが、今後の仏具の製作における糧にもなります。

この度はご縁を頂き、誠に有難うございました。



合掌手を合わそ23「小さな弘法さんの礼拝壇 

合掌手を合わそ23「小さな弘法さんの礼拝壇◆