京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話63『阿弥陀像の復元修復 (全2回)

2016年01月12日(火)



今回ご修復させて頂いたのは、こちらの阿弥陀さんと台座光背。
身丈は立像1尺4寸です。


大陸っぽい独特な阿弥陀さんは、漆箔ではなく、色が塗られていました。
金泥のような感じでしたが、だいぶ煤けてしまっています。











剥落した上層の下にも彩色の層があります。
過去に何度か修理の手が入っていたこともわかります。
今回の修理では、漆箔で修理させて頂きました。



光背は舟型。雲渦上げのきれいな彫刻。
上部に欠損こそありますが、保存状態は良。





それにしても、雲の渦には感心してしまいます。
シンメトリーでなく変則的ですが格好良く、また渦の巻き具合もかなり多め。
手が込んでます。





となれば、台座も言わずもがな。

華盤こそありませんが、六角の九重蓮華座。

葺き蓮華は6段。
上段反花下の据え座には鳳凰が3羽。
下段橛(けつ)柱が付く段の彫りには「梅に鶯」。


・・ということでよく彫れた台座と光背です。








大きな欠損はありませんが、
反花下の上部据え座の柱に付く擬宝珠がきれいに4つ全て亡失。
あと、蓮弁も数枚亡失していました。



通常であれば、損傷前の考察の後は、修理の工程に進みますが、
今回は特別に、X線撮影を行いました。


こちらが、そのX線写真になります。像内に納入品があったり、
異素材のものが混入されていたりするとこの写真で判明したりするんですが・・。



何にもありませんでした・・。

少し解説しますと、水晶製の玉眼、肉髻珠、白毫珠が映っているのがわかります。

肩・袖・手あたりは、パーツが前後に重なっているので白く曇っています。

頭も同じで、螺髪のボツボツが前後に重なって白く曇って見えます。


胴体に何か入っていれば、白い何かが映るんでしょうが、
びっくりするくらいきれいです。健康そうにも見えますが・・。





とうことで、復元修理がスタート。

水の浸け、下地を除去し、木地に戻し解体します。

下地の除去は結構な手間と時間を要します。


こちらが阿弥陀さん。





こちらが光背。





こちらが台座になります。





それぞれ木地に戻し、損傷個所を補修、亡失部分は補作します。


復元修復において面白いのが、
後世の修理が垣間見れたり、印や記録が墨書きされていたりすること。


あと中には、関係のないお絵描きがされていたりすると、
すこし「ニヤッ」としたりしてしまいます。





蓮弁には漢数字。 これは蓮華の順番の印。





蓮肉には、何やらメッセージ?が書いてあります。





ありました。中段の框ですが、お絵描きされてます。


お腹?あばら・・?


こんなん出てくるとアタリです。




では、木地修理以降は、次回にご紹介いたします。