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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

ブツネタ412「岩座くらべてみました」

2017年05月14日(日)


現在、修理のご依頼いただいた御木仏の台座の仕立て中です。

仏さまが立たれる(座られる)台を台座といいますが、

その台座がないとまさに“台無し”。

仏さまには台座は付き物、必須になります。


台座には多くの種類がありますが、

その大半が蓮華を表現した台座になります。






そして、その次に多いのが、岩を表現した台座です。






今組み立て中の台座は、その岩がございます。。

岩の台座を岩座といいます。

今日はその岩座について過去の作例を見て比較してみようと思います。





こちらは、今組み立てている台座。




この上に岩の彫りが、そして今回はその上に邪鬼が乗ります。
邪鬼が乗ってそこまでが台座の部分となります。




さて、岩の彫りが乗る場合、
その下場の板に波の彩色を入れることが多いのですが、

古くなって黒くなり、修理前の段階では気付いておられないことが多いです。

今回の場合もそう。
そもそも岩を置くと波の彩色が殆ど隠れてしまいますが。




岩座は、お地蔵さん、お不動さんをはじめ、明王系や天部など、

多くの仏さんの台座として使用されます。


では、今までの作例の岩座と比べてみましょう。。

岩座くらべてみました。。
会社のロゴ入りです。。



まずは、半跏のお不動さんの岩座(修理後)。
天場一面に波の絵を入れてます。これくらい波が見えると格好がつきます。





次は、四天王像(修理後)の岩座。
波の絵の多くは天場一面に描くのではなく、
縁を残して描くことが多いです。





次は、不動三尊(修理後)の岩座。
こちらのバランスは個人的に好きです。
三躰それぞれが岩に乗り、小さな岩も別で付く、遊びがある造り。
波の絵は復元だったと思いますが、面白い表現だと思いました。






こちらも不動三尊(修理後)の岩座です。
こちらは3躰が1つの岩に乗っています。
中央から水が流れているのが面白いです。ジオラマのようです。





続いて、天部像(修理後)の岩座。
こちらもバランスよくまとまっています。
波は天場一面に。復元彩色でした。
お像が現状維持修理でしたので、岩には金箔を使用せず、

お像と違和感が出ないようにしました。




岩に金箔(もしくは金泥)を用いるのには違和感を持たれるかもしれませんが、
大抵の場合、岩の出っ張った角に金箔や金泥を施します。



こちらは、四天王像(新誂)の岩座。
角のピカッと光ってますが、さりげないくらいのほうが好みではあります。

波の彩色はありません。

波を入れると、仕様によってはくどく見えたりもします。





以下の2点は、どちらも歴史のあるお木仏が時代色を残した状態で岩座に立たれました。

金は使用せず、落ち着いた色合いでの彩色で仕上げました。




こちらは州浜風の岩座に。
お地蔵さんが現状を維持した状態でしたので、

こちらもお像に合わせ、違和感のない彩色としました。




いろんな岩がありますね。

最後にとっておきのお気に入りの岩座。

こちら、役行者像像(及び前鬼・後鬼像)の岩座。

まずは修理前の画像。

役小角さんの特徴である一本足の高下駄がぐらついていました。



そこで、足かけの岩をつくり、古色風に仕上げ、





長時間お座り頂いても足のご負担がない安定した岩座になりました。

天場にも彩色を入れたかったのですが、予算の関係で塗りになりました。




こうやってみると、いろんな表現の仕方があって面白いです。

弊社の作例ですので、偏ることもあるかと思いますが、
お木仏の状態によって仕様を変え製作はしています。