京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

ブツネタ396「踏割蓮華のお尻のフタ」

2016年06月01日(水)
今回はちょっと嬉しかった話。

いろいろと仏関係を修理させて頂く中で、
過去に施された修理は、あまりにもずさんであったりすることは多々見られます。

今回の修理は、そういった残念な ”いかんせん修理” も見受けられる中、

この修理品の変遷と、その定義に拘わり改造に至る見解をされたことが
ちょっと嬉しくなったというお話。








今回の主役は、こちらの蓮台(葺蓮華)です。

修理の形跡があり、外れた蓮弁を鉄釘で固定したあったり、
接着剤で誤った位置に固定されていたり、
彩色だったのを、その上から金に表現し直されていたり、
そんな ”いかんせん修理” が確認できました。

あと、特徴としては、
おしり蓮華、いや、踏み割り蓮華となっています。


踏み割り蓮華は個人的に好きでして、「おシリーズ」と題し、
これまでにも数多く取り上げてきました。

ブツネタ122「おしり!おしり!おしり!」
☆彫り上がりました★24「おシリーズ☆踏み割り蓮華座」
ブツネタ126「あの☆おシリーズ台座が完成」
ブツネタ138「木地修理が完了」
仏像修理の話32「後世の修理による変遷」

そんなおシリーズの蓮華ですが、通常通りの木地補修を行います。




この踏み割り蓮華は、
浄土宗の阿弥陀如来像の蓮華座として用いられること多く、
同じ阿弥陀如来像をご本尊にされる真宗教団では
基本こちらの蓮華は用いられません。
ただ、今回のこの蓮華は真宗大谷派の阿弥陀さんが立たれるとのこと。

なるほど、おしりにフタが・・!




修理のご依頼を頂き、お預かりした段階では、
このおしりのフタが外れていて、
どこのパーツか最初はわかりませんでした。

おそらく、元は浄土宗のご本尊が祀られていたんでしょうが、
真宗用として改造をされたのでしょう。

決して、丁寧な仕事とは思えませんが、
フタをして、踏み割り蓮華を通常の丸型に改造されるところに
ちょっと嬉しくなりました。

実は少し無理のある形状にはなるのですが、
定義に基づき、そこに拘れるところがステキです。










仕上げは岩彩色の上、截金を施しました。
近年では、踏み割り蓮華の認識も少なくなりました。
踏み割り蓮華の台座を久々に作りたくなりました。