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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏具修理の話20『唐狭間(欄間)の修復』

2019年12月07日(土)




唐狭間(欄間)の修理が先日完了しました。


こちらの唐狭間です。





両余間と合わせて計5枚。

何回か修理されているようです。



牡丹彫刻で、箔彩色仕上げのようです。

道内の調和を考えれば、金箔か、箔彩色かが無難で、

彫刻の内容を考えれば、

彩色を入れるほうがより喜んで頂けるように思いました。



欄間を取り外したのが、5月末。

取り外して率直に思ったのが、思っているよりも傷んでるな。。という感じ。

まあ、思っていたより傷んでいるのはよくあることです。





透け透けでちょっと恥ずかしい。

しばし、お預かりすることになりました。



その日のうちに、とりあえず、枠と彫刻をバラしたかったので、

作業は9時頃まで。。





鉄くぎを使うと抜くときに木地を傷めてしまいます。

また、錆も木を腐食させます。

まあでも、これも想定の範囲内です。



枠と彫刻を離せたら、ようやく唐狭間修理のスタートです。


彫刻の多くは付け彫りされています。

このような花弁や葉がたくさん付いたままですと、

下地を塗ったり研いだり、漆を塗ったり、金箔を押したりするのが
とってもやりにくい。

ですから、のちの工程のことを考えて、木地修理を進めなければなりません。


ともかく、まずは付け彫りのパーツを取り外します。

膠の接着力は切れていて、釘で留まっているものが多く、
その作業に追われます。



虫食いの補修、木地の取替もしますが、

合印を付けたり、ダボを付けたり、のちに工程で滞りなくするための作業が
比較的大事になります。



これを5枚分。





















木地の修理はキリがないくらい。。

釘除去による損傷、欠損、虫食い、割れ、反り、などなど。








彫刻の木地修理が完了し、その次は枠の木地修理に移ります。

枠自体は、取替えを考えてもよい状態ではありましたが、

予算を抑えるため、留めを入れるなどできる限りの補修を。






さらに、塗面の浮いていたので、塗面のハツリを。。

こちらは想定外でした。 

塗り替えて、あとから浮いてきては困りますしね。






5枚あるのでそれなりに時間がかかります。









虫食いだらけですが、

ここまでめくっていれば、余計な心配は要りません。


木地修理を経て、塗師の手に渡り、下地作業。





下地で補整し、漆を塗り上げます。






塗り上がれば、箔押師の手に渡り、

これでもかと金箔を押していきます。





金箔押しで完了の場合もあるわけですが

やはり、何がなんやらわかりにくい。

ここから、箔彩色に仕上げることで見違えるわけです。





茎や葉だけでも良い感じになってきたのがわかります。


さて、下地をはつった枠ですが、

枠も同様に、下地及び漆の工程に移ります。

こちらは紙張りしたところ。古書の和紙を使用しています。






膠と砥の粉による下地を施し、



本漆の刷毛塗り。



黒漆で塗り上げた枠は、そのあと蝋色師に渡り、

鏡面に仕上げ、面に金箔を押します。

そしてメッキ直しした金具を





枠に取り付け、

枠と彫刻の固定をします。




そして、ようやく完成に至ります。




映えました。 箔彩色がかなりパンチが効いています。

こうやって見るのより、実際堂内に取り付けて安置したら、もっと良く

見えますし、その想定で製作しています。














取り付けは取り外しの倍以上の時間はかかりましたが、

古い堂内に修理した欄間が違和感なく、また上品に荘厳出来ました。

引き取りから取り付けにちょうど6ヶ月。

非常に思い出に残るお仕事となりました。