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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理のハ・ナ・シ23 『欅の一木、恵比寿大黒天修理』(全1回)

2012年03月27日(火)



今回は、一風変わった木像が当社工房にやってこられました。


欅の丸太から彫り出された恵比寿像と大黒天像。



こちらは恵比寿像。







損傷部分は、頭巾右前部の欠失、




右手の全体的に虫喰いと腐敗が確認。

虫食いは全体的に確認でき、腐敗も数箇所確認できました。






あと、この眼。 嵌入方法が違うんですが、玉眼です。

ケンドン式に外側からレンズを嵌め込みますが、左目がおかしな状態・・。







めくれているのはセロファン系のもので、その奥にはガラスの眼がありました。




そのガラスのレンズは割れてしまっており、

それを固定したセロファンがめくれてしまったのでしょうか・・。


あと、持物の竿が亡失していました。






次に、大黒天像。







腹部の紐片側が欠失しています。




後ろの袋部分に大きな腐食が確認。


あと、持物の小槌が亡失していました。




2躯共に丸太から彫り出された造りですので、

干割れに関しては、修理の対象としませんでした。




木地修理には、欅材を用意し、

まずは、持物の竿と小槌を新しく制作しました。





恵比寿像の頭巾の補作。





極力、木目を合わすようにしました。








恵比寿像右手です。欅材での補作と漆コクソを使用しました。









次に大黒天像。

まずは、腹部の紐の補作。







袋の腐敗箇所には漆コクソを施しました。
  










そして、恵比寿像の玉眼ですが、

通常の玉眼と造りが違うので、少々試行錯誤をしましたが、



既存のレンズが薄く、分厚くなると嵌入できませんので、

通常の玉眼のレンズよりも薄く制作しなければなりませんが、

瞳の輪郭に合わせるのに研磨が必要なので、

研磨に耐えれる厚みも必要ということで、該当する厚みのガラスを探すのに

少々時間が掛かりましたが、無事に仕上がりました。




黒眼も描き直し、レンズを嵌め込みました。
(右目です。わかりにくいですがレンズ入ってます。)




・・・で最後に古色(補色)を施して完成です。


恵比寿像













大黒天像








持物




欅の一木といい、別型の玉眼といい、非常に思い出に残る修理でした。