京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話32『後世の修理による変遷◆(全3回)

2016年03月19日(土)


前項より




修理前の考察で6点ほど気になった点を挙げましたが、


木地修理の際に、その何点かを改良。





踏み割り蓮華は、適した大きさ、適した形で作り替え、


亡失した最下部には小足を補作、


上下逆だった敷茄子は勿論正しい向きに・・。




また、この台座光背及び阿弥陀さんは、厨子に納まっていました。


簡易的な箱型の厨子ですが、今回こちらも修理をさせて頂くことになりました。





素人感のある作りですが、定紋も入っていて拘りも見え隠れ。


修理して継承して頂くことに重きを置き、







扉を軸廻しに改造。あと床板を貼って、戸当たりを作り、地擦りの框を設けました。


僅かなことですが、あとあとその良さがじわじわ効いてくるはずです。





さて、阿弥陀さんですが、当初塗り替えのご意向がございました。

この阿弥陀さん、元々は木地(素地)仕上げの仏さんであったと思える彫刻に、
後の時代に、衣は黒く塗られ、肌の部分には金箔が施されて今に至る・・
というのが私の見解です。


下地を施し、漆を塗るとなると、彫刻の浅さと一木造りの形状から、
決して良い仕上がりにはならないでしょう。


文化財修理関係者の頑なに復元修理をNGとするような偏った考えではなく、
相対的に見た判断から、


部分的に見られた彩色箇所の剥落個所の剥落止めや補彩等の
現状を維持する修理をさせて頂きました。



(修理前)



(修理後)





今回のように、もともと木地仕上げであったであろう仏さんが、


後世の修理で色が塗られたり、漆箔が施されたりするのは決して珍しくありません。


肌の部分だけ金箔にするというのは、ある時代の流行りだったのか
目にすることも多いです。




その修理がどうこうではなく、


手を加えられてきたのは、関心があったからであり、
だからこそ現存するのだろうと思います。




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