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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話70『身丈2尺4寸・地蔵菩薩座像の修復 

2017年01月14日(土)



今回は、昨年修復させて頂いた地蔵菩薩座像のご報告です。


身丈は座像2尺4寸。 
小柄な女性ほどの大きさ、そうですね、うちの嫁さんといい勝負です。






肌は白塗り、黒衣のお地蔵さん。


現状、本体は、全体的に下地が剥落しています。


持物の錫杖、宝珠は現存してます。
錫杖は長く見えますが、裳先まで下げて少し傾けばいい感じになりそうです。


胸飾りは、金属製。そこそこ立派で保存状態も良好のよう。


台座と輪光は、25年程前に作られたとのこと。






本体がどこまで傷んでいるかは、預かってからのお楽しみ。。。






本体に関しては、下地を除去し、木地に戻す復元修理。


あと台座に関しては、安置場所が狭いことから、框の上に直接蓮華が乗る造り。


仕方ないとはいえ、イレギュラーで、略したのが見え見えなので、


蓮台と框は再利用して、敷茄子と反花を補足することにしました。












まずは、下地の除去から。


大きなお像にもかかわらず、木地の遊離が見受けられないところから、
釘や鎹(かすがい)などが打たれている可能性は高く、


とりあえずは水に浸けず、刃物等で下地を除去することにしました。






大部分に和紙が張られていましたが、








和紙の木地への接着力が弱まっていたことから、
比較的除去はしやすい部分がありました。


木地に、補強のための和紙張り、その上から胡粉、
そして衣には黒彩色。肌部には白彩色。




それを踏まえたうえで、、、




下地を除去していくと・・・


足裏には肌色。







衣に橙色が残っていました。













下地を除去することで、過去の修理が見えてきて、
過去の仕様であったり、様々な物語が見えてきたりします。




修理において、下地を除去せず、上から上から塗っていく“いかんせん”な修理(とっても残念な修理)が多い中、


このお地蔵さんの前回の修理は、下地を除去し、木地に戻し解体までしたということがわかります。




手の傷に下地が埋まっています。
普通に考えれば新調の際には傷はなく、下地が傷に埋まるはずもありません。


こういったところでも、修理の手が入っていることがわかります。







あと、底をみますと・・・


裳先の木地が明らかに色が違います。





あと、こういった釘で修理時期がわかったりもします。





木釘や竹釘で止められているものもあれば、


このように鉄釘を恥じらいなく打ってあることや、
補作した材に杉板をしようしていたことは、


前回の修理は素晴らしいものだったとは、
お世辞でも言えないというのが私の感想です。


まだまだ、修理工程は序盤戦。
次回以降、数回に分けて、ご報告いたします