京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

株式会社 京仏商 谷口 京の仏具匠・谷口谷口へようお越し
仏像を彫る特別対談日々雑録製作事例谷口のこと
お問い合わせリンク集サイトマッププライバシーポリシー
日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

ブツネタ440「御伝鈔卓(西派)の製作」

2019年09月21日(土)


本願寺派の御伝鈔卓(ごでんしょうじょく)の製作のご依頼を頂きました。

御伝鈔卓、かなり久々です。


どこのお寺でもお持ちという訳ではないので、少々レアなお仏具です。


少し前にお東の御伝鈔卓を製作させて頂きました。
ちなみに大谷派の御伝鈔卓はこちら。




今回は、お西、本願寺派の御伝鈔卓です。


こちらは木地。






お東とでは対照的な、シンプルで軽量化された卓です。

二股に分かれた板足に天板が付き、天板の下場に幕板が付きます。


この板足をみてると、2歳に満たない頃の我が子を思い出します。

ムチムチの脚に脂肪だらけのオシリ。 



可愛さ溢れる西の御伝鈔卓。


この卓のポイントは、まずは総金箔であるということ。


総金箔ですから、京都で仕上げる価値がぐぅぅぅ〜んと上がります。

やはり、地方製との違いが歴然なのは金箔押しの美しさ。

同じ縁付の1号箔を使用していても、その仕上がりには大きな差があります。

さらに今回は、グレードを上げて、総すりあげ仕上げにしました。


漆を塗り上げた後に、



塗面を平滑にするために炭砥ぎし、生漆を摺りこみ、

金箔を押す前の塗面の地ならしを、1工程増やしました。

いわゆる、蝋色師さんのお仕事を増やしている訳です。

これにより、より上の金箔仕上げになるわけです。



また、総金箔の卓ですから、

面には朱漆を挿して(塗って)おります。

くどくならない程度に面に朱を挿すのは、非常に効果的です。




そして、もう一つのポイントは、板足に付く彫刻。

今回、ご指定を頂き、「桔梗」の彫刻を付けることになりました。


小さな彫刻ですが、

総金箔の中では存在感を出さないといけません。



こちらの彫刻は、漆箔で仕上げて、箔彩色で仕上げました。



完成がこちらになります。







上品な感じで。

両面で、桔梗の花の色を変えてみました。

出来る範囲での遊び心ですね。





オシリに付く桔梗の彫刻。

花柄畑でインプットです。(言いたくなっただけです)


金具も付かないシンプルな机ですので、

余計なことをするとその良さが消えてしまいます。


ただただシンプルに、出来ることを最大限やった感じです。