京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話71『身丈2尺4寸・地蔵菩薩座像の修復◆

2017年01月15日(日)

前回からの続き・・




前回の修理の痕跡が、
落とし切れなかった彩色や、補作した木地の違いなど色んなポイントでわかるというお話をしました。








黒衣と思っていたら、中から別の彩色層が出てきた件ですが、これは結構よくある話です。


今回の場合、彩色の大半が除去されていたので、元がどのような色づかいでどういった文様だったかというところまで推測することは出来ませんでしたが、


ご住職様がお持ちのイメージが確固たるものがありましたので、
肌や衣に関しての色の変更はありませんでした。




大きなお像になるので、強度面を考慮すれば、釘を使いたくなることはわかりますが、


鉄釘の場合は、錆びてしまって取るのが厄介ですし、木地を傷めてしまいます。。







あと、後補の裳先ですが、後から足されているのにもかかわらず、
虫にも喰われ、傷んだところを部分的に補修がされていました(黒いところがそうです)




オリジナルの部分は、大きな損傷もありませんでした。
この杉の後補部分は、尾州桧材にて取替えることにしました。





さて、下地除去と解体を進める中で、


前に紹介は致しましたが衝撃の事実が判明いたしました。


ブツネタ392「衝撃の像内納入品」




数多くの諸仏を修理してきて、一番の衝撃でございました。




時間は確か夕方、少し日が傾きかけたころ。







底板を取り外し、内刳りされた像内に、なんか黒いものが入っているな、とは
気付いていましたが、、、




まさか、










像内に黒く焼け焦げたもう一躰のお地蔵さんがはいっているなんて。。


頭部がなければ、すぐに把握はできなかったでしょうが、








大きさや輪郭もほぼ一緒でしたので、すぐにイメージがわきました。


焼失してしまったお地蔵さんを復興する思いが、強く伝わりました。


何百年もの時を経て、焼失してしまった地蔵菩薩の頭部と、新たに製作された地蔵菩薩の頭部を並べて撮影する。。。


とっても深い。。。


そして、全ての下地を除去し、解体が完了致しました。








大腿部の内部には墨書きも残されていました。








赤斜線は後から書き加えられたのか、


もう少しきれいに書いてほしいという思いはありますが、


天明元年(1781年)に製作されたものだということがわかりました。




この後は、木地修理及び接合の工程へ移り、


焼けてしまったお地蔵さんも再度像内に納入いたします。


その模様は次回ご紹介いたします。