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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理のハ・ナ・シ20 『西派・台座光背の修復』(全1回)

2011年11月25日(金)




前回、修理のハナシ22 では阿弥陀如来像の復元修理のお話でした。


今回は、その阿弥陀像の台座と光背の修理のお話です。






台座は、西派の本山型。

華盤の下には獅子の彫り。

蓮華は截金(きりかね)仕上げ。

正八角形の台座。










なかなか、拘りの感じる台座です。






一方、光背の方は、


身光がなく、頭光のみ。



八葉と、雲の彫りが入った輪光は良く彫れているのですが、

やはり身光がないのが気になります。




今回の修理では、

台座は、基本元通りですが、一部仕様を変更。

光背は、頭光は再利用し、身光は新たに制作することになりました。





錺金具を取り外した後、水に浸け下地を除去します。

立像1尺8寸5分の本山型台座。

台座のパーツの多さはなかなかのものです。



台座と、



光背(頭光)の彫刻の下地除去後です。



木地を傷めずに下地を除去。

思っていた以上に時間がかかりました。



この台座光背、実は谷口の初代が納めたもの。

昭和の中期制作のもので、

木地の状態は非常に良く、目立った損傷個所はありませんでした。



台座は接合をし直し、蓮弁にはダボを付けました。





蓮弁は岩緑青彩色のあと、截金を施すので、

蓮肉と蓮弁を別々で仕上げ、最終に取り付けます。



一方、光背のほうですが、



身光を尾州桧材を新たに制作。




火焔の透かし彫りを施し、

木地修理が完了した既存の輪光を取り付けました。



木地修理(身光は新調)が完了した後は、

塗師の手に渡り、胡粉下地のあと、漆を塗りあげました。






台座の蓮肉は蓮弁が取り外せるようにしていますので、

蓮肉にも箔押しで仕上げます。


段数の多い台座なので、小足は朱塗りにし、

お獅子さんは、この写真では不在ですが、

元は金箔だったのを岩彩色に仕様を変更することにしました。



箔押しが完了し、台座を組み上げ、光背を固定し、



截金が仕上がった蓮弁を取り付けて完了です。









阿弥陀さんを安置すると、



新調した光背とのバランスも◎








お獅子さんも良い存在感が出ました。







正八角の台座は、後ろ側にも全て金箔押し。



修理前と同仕様。

なかなか贅沢な仕様です。



さて、台座・光背の修理に際し、仕様を変更することは珍しくありません。


今回で言えば、

・光背(身光)の新補。

・台座獅子の仕様変更。(金箔押し→岩彩色)

・台座小足の仕様変更。(金箔押し→朱塗り)

・光背(輪光)の地すき部分の仕様変更。(彩色→砂蒔きの上、金箔押し)

・・の計4点の仕様変更をしました。


むやみに仕様を変更することはありませんが、

様々な修理や制作をさせて頂いていますので、

その経験を生かし、より良い仕上がりを考えながらご修復をさせて頂いています。