京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

★合掌★手をあわそ20「改造修理してご本尊を継承★」

2015年08月23日(日)





今日も無事に1日を過ごすことが出来ました。


日々感謝、ご先祖様にも感謝です。


そんな思いを込めて、ご本尊、お仏壇に手を合わせましょう。




さて、今回は、


ご実家から息子様宅にお仏壇を移動されるお話。



ただし、ご実家は仕込み仏壇(造り付け)で、身丈立像8寸のご本尊が祀られており、

息子様宅には間口の狭い地袋付きの仏間がございました。







また、ご実家のお仏壇には江戸年間からのお位牌が何基もありまして、

50年以上経過している位牌につきましては、

この度先祖代々位牌を新誂させて頂き、整理することになりました。




さて、問題はご本尊。

少し規格外のお仏間には、戸幅1尺6寸のお仏壇を納入することになり、

戸幅1尺6寸のお仏壇であれば、立像5寸もしくは6寸位のご本尊が無難な中、

立像8寸の既存のご本尊が、いかに格好良く納めることが出来るか・・。

選択肢の中に、ご本尊を替える等という駄案はありません。



さて、どうするか。

まずは、仏さんの現状を把握するところから・・。













まず、パッと見て気づくことは、

仏さんに対して台座が小さいです。 6寸用くらいでしょうか。

蓮台は、踏み割り蓮華ですが、蓮弁は全て亡失。

敷茄子の下に獅子が連続で配置。
普通ならあり得ないので、数段亡失していることもわかります。


また、光背は概ね8寸用に作られていますので、

台座と光背は別物だということがわかります。

作風もそうですが、蓮台に無理矢理、光背を釘で留めてあることから、

台座と光背の作り手が違うのがわかります。




一方阿弥陀さん本体を見ても、明らかに両手が後補です。





右手とj左手共に後補ですが、

それでも同じ時期に作り直された訳ではなさそうです。

左手は素人感がより強いです・・。



修理内容は、ご本尊に関しては、基本現状のままとし、

両手のみ取り替えることにしました。



台座・光背は、

既存台座は使用せず、仏壇内に納まるように、

低く、かなり低く、それでいて格好が付く台座に作り替えることにしました。





また、光背は、

既存分を修理・改造し、再利用することにしました。



台座の木地。

反花(かえりはな)と框(かまち)のみ。

しかもかなり薄めです。










反花を彫り上げ、

光背は下地を落として木地の状態に戻し、

光芒(針)は使用せず、輪光と八葉のみを残し改造。







反花は白地を、蕊(しべ)には漆塗り。


段数の少ない台座なので、少々存在感が出るように

反花は彩色することにしました。







両手は桧材で新補。

既存分の手は、お焚き上げをして処分いたします。





新補した手は古色を施し、

台座と光背は金箔及び彩色を施し完成に至りました。


反花には岩絵具の緑青を蒔き、先を青く暈し、

その上から金の筋を描くのですが、

今回低予算に関わらず、少しでも良いものをと、

截金(きりかね)で金のラインを表現しました。








超略式の台座ではありますが、

岩彩色&截金のおかげで、重みが増しました。

框の面朱も正解でした。












そして実際に、仏間内に仏壇を安置し、

お仏壇内にご本尊をお祀りすると・・・








お仏壇に対して、ご本尊は確かに大きいかもしれませんが、

台座を別型に取替え、光背を改造することで、きれいに納めることが出来ました。


仏像を残し伝えること。

これは最初からぶれることなく、お話を進めてまいりました。



伝え残すべきものは、どのようにして受け継がせるか。



例えば、こんな鉦吾にしても、

京都製のものでしっかりしていて、まだまだ使って頂けるものですし、

撞木も、今の安価な普及品よりもしっかりしたものですから・・・










鉦吾は磨きなおし、

撞木は房を正絹で作り直し、また大事に使って頂くのが良いと。



お祖父さんやお祖母さんもこの仏具を使ってられて、

次の次の代になっても、その仏具をお使いになられる。


そんなお仏壇、お仏具、そしてご本尊を製作し納めさせて頂くと考えたら、

テンションが上ります・・・。


現在深夜1時過ぎ、テンションが上りすぎて眠れません・・。