京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

株式会社 京仏商 谷口 京の仏具匠・谷口谷口へようお越し
仏像を彫る特別対談日々雑録製作事例谷口のこと
お問い合わせリンク集サイトマッププライバシーポリシー
日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理のハ・ナ・シ16 『複数の修理方法』

2010年11月14日(日)




一塔両尊像をお預かりしました。






向かって右に多宝如来

向かって左に釈迦如来

中央に題目の入った宝塔


この像を一塔両尊と言い、日蓮宗の本尊となります。

一塔両尊の前に日蓮像を置くと、三宝尊となります。




在家用の一塔両尊像で、両尊は座像の2寸。


題目の彫刻は地彫り。

なかなか丁寧に作られています。







施主様が仏壇内を掃除される際に、

多宝如来の光背が外れて、割損させてしまわれ、

当社で修理をすることになりました。






大きく割損し、その上部には欠失も確認できます。

最上部も欠損が確認できますが、長年の煤による古色が付いていますので

今回の損傷ではありません。


あと、木寄せ箇所は、膠の接着力の劣化による遊離と、

虫喰いの被害も確認できました。





お客様は、光背を傷つけたことを非常に気にされていました。


ですが、予期せぬことで、予算も厳しく、

修理方法としまして、

今回損傷した光背は、きっちりと復元修理を施し、

長年の劣化による損傷は、応急的な処置を施しました。






光背は、漆箔と下地の層を除去し、

乾燥後、接合し直し、欠失箇所を補足。







木地修理完了後は、漆箔の工程を経て、









塗り替えない台座や釈迦如来側の光背と調和するように、

古色の彩色を施しました。








残念ながら、全く同じとはいきませんが、

人工的な古色仕上げと自然に付いた古色との差でしょうか。



ちなみに一塔両尊の場合、

多宝如来の光背には宝塔、

釈迦如来の光背には宝珠

の彫刻を施すことが多いです。



今回の修理では、

台座の虫喰い箇所は、刻苧を充填し表面を研ぎ、

遊離箇所は接着し直し、調整する程度としました。





台座と片方の光背も、今回修理した光背のように
復元修理を施したいところですが、

予算というのが付いてまわります。

何通りかの修理方法をご提案させて頂くことで、

施主様にとって良い結論が出るのではと考えます。


‖羣臓Ω背の全てを復元修理(仏は現状のまま)

光背1枚を復元修理、他は簡易修理(応急的な処置)

A瓦討魎憤彌ね


今回は、3通り程ご提案させて頂き、△僚ね方法をお選び頂きました。