京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏具修理のハ・ナ・シ2 『拘り満載の卓修理』(全1回)

2011年11月02日(水)




非常に珍しい“卓”を修理させて頂きました。


上框幅2尺1寸の小振りの卓ながら、





何やら見どころ満載の卓。




4面2段に通し彫り。 さらに、脇袖四隅にも

センスの良く繊細に仕上げられた彫刻が取り付けられています。


さらに驚きなのがキリカネ仕上げ。

ふんだんにキリカネが施されてます。




今では制作不可な細かな彫りの入った錺金具には墨差し仕上げ。



そして、この筋(スジ)入りの脚の曲げ具合。非常に良い仕事がされています。

箔押しと黒塗り箇所の塗り分けも、非常に珍しく・・。





この度、こちらの卓の修理をご拝命頂いた訳ですが、

なかなか苦労したのは言うまでもありません。




まずは、解体。





通し彫りの上段は、牡丹・蓮・菊・万年青(おもと)。

かなり手間が入っているのがわかります。

下段は唐草。脇の分が後補のようです。作風が違います。

脇袖は、1ヶ亡失。こちらは新補します。


この彫刻の表面上の汚れを出来るだけ除去すると、







なかなか、鮮やかな色。

キリカネで仕上げるとどんな感じになるのやら・・。









彫刻はその後、彩色・下地を除去し、

木地に戻して、木地修理を行いました。





脇袖の亡失した彫刻1ヶは桧材で新補。

木地に戻すと、完成度がより素晴らしいことがわかります。





卓本体の木地修理も完了し、

塗師さんに依頼する前に、組んでみます。









漆塗りは、総蝋色漆塗り。

黒塗り箇所は蝋色で仕上げますが・・





問題はこの脚。

この脚の仕上がり次第で、この卓の“出来不出来”が
決まるといっても過言ではなく、

なかなか手こずるのではと懸念・・。





漆塗りはきれいに仕上がりました。


次工程の蝋色、箔押しでも非常に手間の掛かる仕事になりました。


どのように仕上がったかは後ほど・・。











一方彫刻は、彩色前の下地を経て、

南天(万両?)の種の部分には漆塗り、箔押し。






下地の上から箔押しすると、

ガサガサ感が否めないので、部分的に漆を塗ります。



その後、彩色師さんで岩彩色を施してもらい、

截金師さんにキリカネを施してもらい、










金具は、下水板分は新調し、

メッキ替えをして、墨を差し、








そして、錺金具を取り付け、組立てて完成★














かなりの存在感。

す、すごっ★








脚の蝋色と箔のラインもバッチリ★


こだわり満載の卓。

昔の仕事に驚かされること、そしてその仕事っぷりに感銘を受けることが、

非常に多い修理のお仕事でした。

勉強になりました★