京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理のハ・ナ・シ17 『座像5寸の阿弥陀像◆戞柄5回)

2011年07月12日(火)




ブツネタ239『いかんせん修理』

修理のハナシ将次愃汰5寸の釈迦像 


の続きです。 前回は台座と光背のお話でしたが、

今回は、主役となる阿弥陀如来像の登場です。




修理前の阿弥陀さんは、





光背と同様に、一度修理の手が入っており、

その際、漆箔層を除去せず、新たな漆箔を施していたようです。






この写真は、洗浄途中のものですが、

矢印の金色が制作当初の漆箔の層。


その周囲の黒い部分は、後世の修理での漆箔の層。


Wの漆箔層・・・。

「いかんせん♪ 嗚呼いかんせん♪ いかんせん♪」

いかんせんな修理を見たときは、ネコも杓子も唄います。



せっかくの良く出来た阿弥陀さんが、厚ぼったいお姿に・・。

ですから、そんなW下地は除去し、木地の状態に戻します。





大きな損傷はありませんでしたが、木地補修をしながら

バラバラになったパーツを接合し直します。



お顔には玉眼を固定し直し、内部より瞳を描きます。




如来の場合は、

中央に黒眼、その両サイドに茶眼で瞳を表現。

目尻には青を入れて、色の付いていない白眼は、





綿で表現。 

木片と竹串で固定すれば玉眼の彩色工程は完了です。







そして、

木地修理完了時がこちら。









優しいお顔をされていますね。





さて最後に、今回の修理で特筆すべきポイント。


それは、漆箔仕上げにおいて非常に大事な工程の“肩つぎ”。





衣の奥であったり、

今回の阿弥陀さんで言えば、定印を結ばれる手で隠れる衣には、

物理的に、漆が塗れません。



現段階では、

右肩・右肘・右手・左手の部分が胴体と接合されていません。



“肩つぎ”と私共は言ってますが、

仕事のしにくい部分の漆塗りや金箔押しを先に仕上げてから、

胴体と接合します。




仏さんの漆塗りの工程において、

非常に大事になる工程の“肩つぎ”。

次回は、“肩つぎ”の工程をご紹介します。