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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

ブツネタ431「彩色常花の修理」

2018年07月22日(日)



常花(ジョウカ)の修理を賜りました。


永久に枯れない花ということで、木製や金属製の造花が、



浄土真宗系の寺院以外で祀られます。

(枯れはしませんが、汚れたり傷んだりはします。)





われわれが扱う常花は、

それ程歴史がないのか文化財になっているのを見たことがありません。


形状は少し違いますが、鎌倉時代の常花で重文になっているものもあります。

花瓶メインなのかもしれませんが、とてもカッコ良い蓮の形状です。

金銅蓮華花瓶(河内長野市の歴史遺産)




われわれが扱う常花は、5本から15本の奇数で構成され、

その大半が木製になります。

(ただし、昭和後期には量産できるようにと、


花弁や蕾部分をプラスチックで製作していた業者もあったようです。)



今回の修理は彩色仕上げの13本立ち。







こちらは修理前の写真。



ちょっと特徴的なのは、蕾(つぼみ)や蕊(しべ)のパーツが大きいところ。

茎も若干骨太のように感じます。

彫刻は京都製のようですが、挿し方が少々散らかってるせいかバランスが悪く見えます。。。






幸い、大きな損傷は少なく、



最下部にある受蓮1本の茎が亡失していた程度でした。






茎が受け葉などの彫刻の重さに耐えきれず、


前のめりに曲ってしまっている常花もよく目にします。


今回の場合、少し骨太だったのが功を制したのか、

そのような状態になっているものはありませんでした。




それぞれの彫りを下地が見えるくらいまで、研磨し、




新たな膠による下地を塗り、研いで平滑にします。





13本立の1対ですから、26本の常花を

最終、岩絵具で彩色を施すわけですが、




この写真は、まだ完成前のもの。

この後は、金泥で葉脈を描いていきます。


実際の蓮には、金色の葉脈はありませんが、

花弁や蕾にも金泥で筋を描きます。



よりリアルに仕上げるか、


金を使用し厳かさを取り入れるか、

金の仕様の有無に好みが分かれるかもしれません。



過去には、よりリアルな常花を製作したこともありました。

製作事例 木製常花(蓮/写実型)





今回の常花は、もとは花弁と蕾には金泥の筋は入っていませんでしたが、




やはり物足りなく感じ、



弊社のセオリー通り、金泥で葉脈同様に筋を描きました。






こちらが、修復後の写真です。



華道に流派があるように、常花の形状も様々です。

今回のはそういった流派にそって製作されたものかはわかりませんが、

広がりの少ない造りで、非常に挿しにくく感じました。







あと、常花を挿すにあたって、花瓶にイグサを詰めますが、

そのイグサが見えないほうが格好が良いので、

弊社では数珠玉を敷くようにしています。



ご住職様にお選び頂き、今回は淡い水色の玉を敷かせて頂きました。

金属の水板が付いていない場合はおススメです。