京都市西京区の京仏具匠、京仏商谷口。寺院・在家用の仏像、寺院荘厳仏具から仏壇まで製作・修復いたします。

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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話61『後世の修理で様変り (全2回)

2015年10月06日(火)





こちらは真宗大谷派寺院様のご本尊用のお台座と御光。


六角の九重座の台座、そして光芒付の輪光背。

身丈は立像1尺4寸のご本尊が立たれます。

















よく出来た台座ですが、


部分的に 「アレッ?」 と思うところがあります・・。




例えば、


この葺蓮華。





蓮弁が1枚1枚ちょっと大きくて、


色が青っぽくて、

蓮弁には先が暈かしてない上に、黒っぽい色で筋が描かれています。





蓮肉の種は、まるで時計のように等間隔で並んでいます。







七時ですね。





さて、台座全体から見ても、
クオリティの高い彫刻と比較すると蓮華だけが浮いていて、


これは明らかに後世の修理の際に作り替えられたことが判ります。







さらに、剥落した蓮弁彩色に、緑色が確認できます。

ホゾ穴にも緑色が確認できますので、元は緑色が施されていたことも判ります。




伝言ゲームのように、少しずつ原形から遠ざかっていってます・・。



この葺蓮華ですが、他にも悪影響を及ぼしてました。




こちらは側面から見た台座光背ですが、





こちらに、ご本尊を安置しますと・・




こんなに傾いていてしまいました。


木製ですので経年変化で多少のぐらつきは生じ得ますが、

ここまで傾くということは、この蓮華を取り替えたときからこういう状態だったで
あろうと推測できます。


膠で固めてしまったり、
綿や紙で詰めて置けばその場はしのげるでしょうが。


この角度は、あまりにも危険です。










さて、台座ですが、他の損傷箇所は




















高欄の亡失と欠損箇所有り、


下層部に虫食い箇所多数有り、


華盤の脚に欠落箇所有り、


この程度でした。概ねのパーツは残されていたのは幸いです。


あとは、虫食い箇所がどこまで進んでいるか・・です。




洗浄して下地を除去するまでのお楽しみです。






あと、光背ですが、





作風から見て、こちらも後世の修理によって作り替えられたのが判ります。


葺蓮華を作り替えられた際と同じ時期であると推測します。





修理前の考察は以上です。




修理内容は何通りかお見積りさせて頂きました後に、


●葺蓮華を除く台座の復元修理(下地を除去し、木地の状態に戻し解体する)


●葺蓮華は台座の形状に合わせ新調取替え


●光背は大谷派用の菖蒲巻き光背を新調取替え




この内容にてご修復をご拝命頂きました。

次回その修復内容をご紹介いたします。