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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏具修理の話19『台灯篭の修理あれこれ』(全1回)

2019年10月30日(水)

今回は台灯篭のおはなし。

たまたま、台灯篭の修理が続きました。




まずはこちら。





六角型の台灯篭。高さ3尺。

明治期のもので、今の既成のものとは少し形状は違います。

損傷は多数。
何度か倒されたのでしょうか、数か所に
歪みがあり、基台、火袋、笠が不安定な状態で重なっていました。

露盤宝珠、鈴なども亡失。


全体的な傷みと亡失により、修理の費用を考慮すれば、
新誂という選択肢もありましたが、

皇族と縁のあるお寺で、火袋に菊の紋があることから、
今となれば貴重ですのでこちらを生かし、
修理してお使いいただくことをお勧めいたしました。


台灯篭は、灯篭台が付きものですが、

台灯篭と灯篭台のバランスが悪いことは珍しくありません。



今回の灯篭台も、天板から台灯篭が僅かですがはみ出る感じに。

見た目的に不細工なのと、灯篭がずれて転倒しないとも限りません。


前にご紹介したことがありますが、

ブツネタ413「灯篭台の製作 

ブツネタ414「灯篭台の製作◆


弊社では、灯篭台には天板に縁を付けるようにしています。

そうそう倒れるものではありませんが、安全のためです。



ということで、灯篭台は縁付きで新しく製作。





そして、生地を直し、亡失分を新誂し、

漆で着色し、完成したのがこちら。









十六菊が効いてますね。

あと特筆すべきなのは、

昔の台灯篭は、
基台と火袋と笠が、ただ乗っかっているだけのものが多く、

結構不安定なものが多いです。

このように多少不細工かもしれませんが、





ビスで固定してやれば安定します。

現代の台灯篭では全てではないかもしれませんが、
ただの置きっぱなしではなく、
ズレ止め、固定ができるようになっています。

灯篭自体の安定と、灯篭台との安定を考えなければならないですね。







次に、こちら。




寛通型の台灯篭。小ぶりで高さ2尺。

こちらは状態よく、大きな傷みは見受けられませんので、

漆での着色直しがメインのお仕事になります。




既存の着色された漆を剥がし、新たに色を着けなおします。







ここまできれいにお使い頂いていれば、修復個所も少なく、

また仕上がりも、尚良いものとなります。








あと、もう一つありました。

こちらは高さ3尺5寸。




地震で転倒。

半対のみをお預かりしました。





かなり強い衝撃で、火袋は大きなダメージが。



蕨手も折れてしまい、露盤の宝珠も火焔が・・。




ここまで傷むと修理にも時間がかかります。

こちらの灯篭は現在修理中。


目立たぬ場所に置かれる灯篭なので、
予算も考えて、修理箇所のみを色着けすることになります。


天災や不慮の事故等も考慮して、できる限りの備えが必要な時代です。。