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日々雑録
京都には熱い思いを抱いた職人たちが大勢います。この日記を通して“ものづくりの心”を少しでもお伝えできればいいな、と思っています 専務取締役 鶴島 義允

仏像修理の話38『弘法大師像の復元修理 

2018年02月26日(月)


木造の弘法大師像、復元修理のご依頼をご拝命頂きました。


私共の申します復元修理というのは、

木造で彫り上がった後に下地が施され、
漆箔や彩色で仕上げられている場合、


漆箔や彩色、その下の下地を除去し、木地の状態まで戻す修理のことを


復元修理と呼んでいます。







さて、今回ご依頼頂きました弘法大師像は身丈1尺5寸。






弘法大師像の修理は、比較的多いように思います。

平均厳しい表情をされているのが多いように思いますが、
今回のは特に厳しく感じます。


頭部の剥落が目立ちます。

お顔の剥落は、どこよりも気になります。





頭部だけかなり剥落が著しいです。

なぜにこのように剥落しているかは、後々わかることですが、




この斜線部分で、木が矧ぎ合わされていること。

木が湿気や乾燥で伸縮することで、



長い年月をかけて亀裂が生じ、剥落に至ったのでしょう。


このような症状があるとなれば、膠の接着力も衰えてくる頃なので、

全体にも同様の状態が考えられます。



あと、こういった場合、見ておきたいポイントは、像の底。

座像の場合は、多くのパーツから接合されて構成されているので、

像の底には、木が動かないように、

布(寒冷紗)を張って漆を塗っておくことが、
我々の仕事では最低条件になります。





↑↑こちらの写真は別の修理時のもの↑↑

黒いのは漆。
縦横の細かな模様が見えてるのは、寒冷紗が張ってあるわけです。


・・で、



今回のお像に関しては、

下地に色が塗ってある程度で、布も漆も塗ってありませんでした。



この状態ですと、底部から湿気も入りますし、木が動きやすく、



亀裂や剥落につながりやすくなります。



木が動く力は、布張りや漆で完璧に止めれる訳ではありませんが、


出来る限りの下地工程を施して、後世に残していくわけです。



さて、下地を除去していくわけですが、

この工程で、

前回に手を入れられた職人さんの技術や内容を垣間見ることができます。





前回の修理前の色が出てきたり、修理跡がわかったり、

また、釘や鎹(かすがい)を使う使わないなどの、前回の修理事情を



こと細かに拝見できます。




そして、すべての下地を除去し、接合部を解体した写真がこちらになります。






過去に修理がされているので、細かなパーツもたくさん。。


主要部分は、製作当初のものが残っていて、

丁寧に内刳り(内部を空洞化)されています。



そして、今回は、

楽しみの一つである「像内納入品」がありました。



それは、次回にお話いたします。

次回に続く。。。